北海道 福島町 ヒグマに襲われ男性死亡 専門家が現場で調査 | NHK

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北海道 福島町 ヒグマに襲われ男性死亡 専門家が現場で調査

クマ被害

北海道福島町でヒグマに襲われた男性が死亡したことを受け、14日、クマの生態に詳しい専門家が現場を訪れ、ヒグマの特定に必要な体毛や体液などが残っていないか調査しました。

12日、福島町三岳でヒグマに襲われた新聞配達員の52歳の男性が茂みの中で倒れ死亡しているのが見つかりました。

14日は北海道立総合研究機構でクマの生態を研究する専門家などが現場を訪れ、男性を襲ったヒグマを特定するためのDNAの採取に必要な体毛や体液などが残っていないか、1時間ほどかけて調査しました。

このあと専門家は、現場からおよそ400メートル離れたところにあり、14日に生ゴミが荒らされていたことが分かったスーパーマーケットも調査したということです。

道立総合研究機構では、体毛などの痕跡が十分集められた場合には、男性を襲ったヒグマの個体を特定することにしていて、今後、駆除されたり捕獲されたりする個体が男性を襲ったヒグマと一致するか調べたいとしています。

道ヒグマ対策室の橋本和彦主幹は「クマがどういう行動をとったかということも含めて情報を整理して、専門的な知見から作業していく」と話しています。

ヒグマ被害か 近くのスーパーで生ゴミ散乱

14日午前7時ごろ、福島町三岳にあるスーパーの大型のゴミ置き場のまわりで生ゴミが散乱しているのを、出勤した従業員が見つけました。

スーパーは12日にヒグマに襲われて死亡した男性が見つかった現場からおよそ400メートル北にあり、警察や店などによりますと、ゴミ置き場の扉が大きく壊れていたほか、周辺にはヒグマのものとみられる足跡や茶色い毛があったということです。

店の関係者が13日午後8時ごろに確認したときには異常はなかったということで、警察は、13日夜から14日朝にかけてヒグマが荒らしたとみて、引き続き24時間態勢で町内を警戒しています。

福島町には道の「ヒグマ警報」が出されていて、町などは、ゴミを屋外に放置しないことや、ヒグマが活動する早朝や夕暮れ時などは特に気をつけるよう呼びかけています。

一方、被害を受けたスーパーでは、客や従業員の安全を確保するため、14日から当面は閉店時間を1時間早めるなどの対応をとっているということです。

現場近くの小学校 児童らが車やバスで登校

現場近くにある福島小学校は、13日夜に周辺でヒグマが目撃されていて、14日朝は児童たちが保護者とともに車やバスで登校する姿が見られました。

5年生の児童の母親は「とても不安ですし、子どもも怖がっているので、早くヒグマが捕まってほしいです。外に出歩けない状況ですし、仕事も抱えているので、影響が長引くと大変です」と話していました。

福島小学校の長浦紀華校長は「安全の確保を最優先にしつつ、児童の学習機会の確保や心のケアにも気を配っていきたい」と話していました。

町内の小中学校では当面、安全確保のため、子どもたちの登下校の際に保護者などが車などで送迎することになっています。

専門家 “ゴミを屋外に放置せず 夕方から早朝は外出控えて”

クマの生態に詳しい酪農学園大学の佐藤喜和教授は、この時期はクマの繁殖期にあたり、動きが活発になるとしています。

そのうえで「ことしは例年よりも気温が高い時期が続いたことで、本来はクマが夏場に食べるフキなどの植物の生育が例年よりも早まっている。結果的に山の中で食べ物が不足し、クマが食べ物を探して住宅地まで出てきた可能性がある」と分析しています。

今後のクマの活動については「現場付近では人が出したゴミをクマがあさる様子なども目撃されていたことから、ゴミに執着したクマが出没する可能性がある」と指摘しています。

そのうえで佐藤教授は、市街地でクマが目撃されることは警戒が必要な状況であり、自治体などが付近の住民に対し積極的に注意を呼びかけることが必要だとしています。

個人でできる対策については「クマを住宅地に引きつけないよう、ゴミを屋外に放置せず、家庭菜園には電気柵を設置するなどしてほしい。また、クマが目撃された地域では、動きが活発になる夕方から早朝にかけてできるだけ外出を控えるなど、注意して生活してほしい」と呼びかけています。

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