旅客機の運航をめぐり、安全上のトラブルが相次いでいるとして、8月に国土交通省から行政指導を受けたANAウイングスは、パイロットによる安全確認を強化するなどとした再発防止策を19日に提出しました。
全日空グループのANAウイングスをめぐっては、8月に北海道の稚内空港で、旅客機のパイロットが滑走路の情報を確認しないまま着陸態勢に入り、滑走路にいた車両が退避したほか、ことし5月には、広島空港に着陸した旅客機が地上を走行していた際に、正しいルートを通らなかったため、誘導路上で立往生するなどのトラブルが相次ぎ、8月に国土交通省から厳重注意の行政指導を受けています。
ANAウイングスが19日、国土交通省に提出した再発防止策では、パイロットは滑走路の状況や気象の変化など、運航に影響を与えかねない、さまざまな要因を分析し、適切に対応することが求められますが、要因の分析や対処法の確認に不足があったとしています。
そのうえで、これまでは、2人のパイロットのうち、1人が分析にあたっていましたが、今後は2人で分析を行い、対処法を確認しあうなどとしています。
また、全日空グループの中に、再発防止策の進捗(しんちょく)を確認する会議を立ち上げるなどの取り組みを進めるとしています。
ANAウイングスは「安全管理システムを強化し、信頼回復に努めます」とコメントしています。