来週22日に告示される自民党総裁選挙をめぐり、党の総裁選挙管理委員会は、東京、名古屋、大阪の3か所で地方演説会を行うなどの日程を決めました。
告示に向けての各陣営の動きも合わせてお伝えします。
自民党の総裁選挙管理委員会の会合が17日午前、開かれ、来週22日に告示、来月4日投開票の総裁選挙の演説会などの日程を決定しました。
それによりますと、告示日の22日の午後に候補者がみずからの考えを発表する演説会を行い、翌23日には午前に共同記者会見、午後は党の青年局と女性局から実施の申し入れがあった公開討論会を、30日には政策討論会をいずれも党本部で開催します。
地方演説会は
▽24日に東京
▽26日に名古屋
▽来月2日に大阪の全国3か所で行うことになりました。
地方での演説会や討論会は、去年の総裁選挙では、全国8か所で行っていて、今回は絞り込む形で陣営が自由に活動できる日程を確保したということです。
会合のあと総裁選挙管理委員会の逢沢委員長は記者団に対し「自民党の再生につながる総裁選挙をしっかり管理、運営し、準備を進めたい。地方遊説については安全の確保などに配慮しながら関心を持つ大勢の党員や聴衆に来てもらえる中身のある演説会にしたい」と述べました。
《立候補を正式表明》
小林元経済安保相 議員の事務所回り支援求める
16日立候補を正式に表明した小林元経済安全保障担当大臣は国会内にある党所属の国会議員の事務所を回り個別に支援を求めました。
このうち旧安倍派の塩崎彰久衆議院議員の事務所では塩崎氏から「党も政治も思い切って変えてほしいという中堅・若手の期待は大きい。若者や現役世代を支援する所得税の『定率減税』を打ち出したのは非常によかった」と激励され「全力で戦っていきます」などと応じていました。
茂木前幹事長 認定こども園視察「保育士の処遇改善進める」
立候補を正式に表明している茂木前幹事長は17日午後、東京駅の近くのオフィス街にある認定こども園を視察しました。
そして、施設の職員から保育士などの処遇改善や、保育士1人が受け持つ子どもの数を定めた「配置基準」の見直しに関する要望を受け「しっかり進めていきたい」と応じていました。
茂木氏は記者団に対し「子どもの個性を尊重した幼児教育や保育を進める中で課題もあると伺った。魅力ある職場となるよう保育士の処遇改善は進めていかなければならず、物価に連動して賃金がきちんと上がっていく状況をつくっていきたい」と述べました。
《立候補の意向を表明》
小泉農相 石破首相と会談 みずからの意向伝える
16日、立候補の意向を表明した小泉農林水産大臣は、17日午後、総理大臣官邸で、石破総理大臣と会談し、みずからの意向を伝えました。
小泉氏は記者団に対し「石破総理からは『地方のことを頼む』という話と農政について『政策が戻ることがないよう、不可逆的な形に持っていってもらいたい』という話があった。防災庁の設置や農政などはしっかりと引き継いでいきたい」と述べました。
このあと農林水産省で、滋賀県のJAの関係者らと面会し農家が生産を続けられるよう適正なコメの価格を維持してほしいと要望を受けました。
これに対し小泉氏は「備蓄米の放出について『おもしろくない』と思われていることはじゅうじゅう受け止めているが価格の高騰を軟着陸させるのが私の責任だ。コメの価格や経営の安定につなげていけるよう、しっかりやっていく」などと応じました。
加藤財務相 Xに「小泉氏の応援をする」と投稿
小泉農林水産大臣の陣営の選挙対策本部長に就任する加藤財務大臣は旧ツイッターの「X」に投稿し「国民の所得倍増や選択的夫婦別氏制度などに関する前回の総裁選挙での私の主張や財務大臣として取り組んできたことなどを踏まえて、小泉氏の応援をすることとした」としています。
「選択的夫婦別姓」をめぐっては去年の総裁選挙で、小泉氏が認める法案を国会に提出するとした一方、加藤氏は親と子が別々の姓になるなど議論を尽くさなければいけない点があると指摘し、家族同姓制度は維持した上で旧姓を法律上の姓として認める「旧姓続称制度」もあり得るとしていました。
林官房長官 18日午後に会見へ
総裁選挙に立候補する意向を表明した林官房長官は18日午後、国会内で記者会見を行うと発表しました。
総裁選挙で訴える経済政策などについて説明することにしています。
これを前に林氏は17日朝、都内のホテルで1時間近くにわたり公明党の西田幹事長と定例となっている会談を行いました。
この中では、物価高対策や外交をめぐって意見を交わしたほか、総裁選挙の情勢や秋の臨時国会の日程なども話題になったということです。
林官房長官を支持する議員 会合で政策の検討行う
林官房長官を支持する議員らは17日午後、国会内で会合を開き、田村元厚生労働大臣や宮沢税制調査会長ら旧岸田派の議員のほか、16日、林氏を支援する考えを明らかにした中谷防衛大臣ら10人あまりが参加しました。
そして、林氏が選挙戦で訴える政策の検討を行ったほか、陣営の今後の運動方針をめぐって意見を交わしました。
《立候補の意向固める》
高市前経済安保相 19日にも会見へ
高市前経済安全保障担当大臣は、17日午前中、松山参議院議員会長と会談し、立候補の意向を伝えたということです。
高市氏は、19日にも記者会見を行い、立候補を正式に表明する方向で調整していて、今夜は、みずからに近い黄川田仁志衆議院議員らと打ち合わせを行うことにしています。
《各党の動き》
立民 野田代表「各候補がどういう主張するか見ていきたい」
立憲民主党の野田代表は、日本外国特派員協会で記者会見し「自民党総裁選挙を事実上の政治空白にすることなく、政府・与党にどう働きかけるかは大事なポイントで『給付付き税額控除』の協議など予算委員会で石破総理大臣と合意したことの履行を迫っていく。党首間で議論を整理できるようなるべく早い時期に会談の機会を作りたい」と述べました。
また「各候補がどういう主張をするかよく見ていきたい。急に減税を言い出した候補もいるが財源をどうするかなど多角的に見ないと評価できない。われわれが石破総理大臣と行っている協議を引き継ぐのかも含めよく吟味していきたい」と述べました。
維新 藤田共同代表「1年前の主張との一貫性は重要」
日本維新の会の藤田共同代表は記者会見で「名乗りを上げているのは前回の総裁選挙にも出た方たちで1年前の主張との一貫性は非常に重要だ。もし主張を取り下げたり、違う方向性を出していたりするなら、その理由が何かということは、政治家の基本姿勢を見る上で大事なファクターだ」と述べました。
また、自民・公明両党の連立政権に加わる可能性について「連立は非常に高いハードルで何か1つの法案を獲得することでできるほどなまはんかなものではない。道のりは相当険しいものだと常々申し上げている」と述べました。
その上で「私は特に連立を求めているわけでもないし野党との協議を拒否するわけでもない。どの政党も衆参で過半数を持たない、けうな状況の中でこれまで以上に野党も責任を持って国会の意思決定に関与し政策を提言する姿勢が求められており政策実現にこだわってやっていくということに尽きる」と述べました。
社民 福島党首「総裁選挙で公約しても信用できない」
社民党の福島党首は記者会見で「自民党の総裁選挙で公約しても総理大臣になったとたんにほぼ忘れ去られてしまう。候補者が『あれをやります、これもやります』と言っても正直、信用できないが国民の生活に対しどういう提案をするのかや、軍拡を進める立場なのか抑制的なのかはきちんと見ていきたい」と述べました。