無声映画にせりふや解説をつける活動弁士が一堂に会する上映会が12日、東京で開かれ、弁士たち12人が映像にあわせてせりふをつける“声色掛け合い”を披露しました。

上映会は、無声映画や活動弁士の魅力を伝えようと、早稲田大学演劇博物館などが開いたものです。

会場の大隈記念講堂には澤登翠さんをはじめとするベテランから若手まで12人の活動弁士が集まり、生演奏に合わせて大正時代の無声映画にせりふや語りをつけました。

映画は、大正時代の大スター、尾上松之助演じる怪力の主人公が大活躍する物語で、弁士たちは、映像に出てくる登場人物の動きにあわせてせりふをつけ臨場感たっぷりに演じる“声色掛け合い”を披露しました。

無声映画や活動弁士は1930年代に音がついたトーキー映画の登場で衰退したものの、近年は、プロジェクターがあれば映像を投影できるなど活動しやすくなっていて、全国でおよそ20人の活動弁士が活躍するなど、再び注目されているということです。

活動弁士の片岡一郎さんは「昔は懐かしく見る人が多かったですが最近は新たなメディアとして認識されつつあると思います。1回しか体験できないのが魅力で、多くの人に知ってほしい」と話していました。