カーリングのミラノ・コルティナオリンピックの世界最終予選の日本代表決定戦は12日、女子の予選リーグが終わり、SC軽井沢クラブが上位2チームで争う決定戦への進出を決めました。
北海道稚内市で11日から開かれているカーリングの日本代表決定戦の女子は、日本選手権で去年優勝したSC軽井沢クラブと、ことし優勝したフォルティウス、ことし3位に入り日本のチームで世界ランキングが最上位のロコ・ソラーレの三つどもえの戦いです。
予選リーグは1試合を残し、ロコ・ソラーレが2勝2敗、SC軽井沢クラブが2勝1敗、それにフォルティウスが1勝2敗で、最終戦でSC軽井沢クラブとフォルティウスが対戦しました。
試合はフォルティウスが同点の第5エンドに1点を勝ち越し、続く第6エンドも不利な先攻ながら円の中心近くにストーンを配置したうえで的確にガードストーンを置くと相手のミスを誘い、1点をスチールしました。
フォルティウスはその後も危なげない試合運びでリードを守り、5対3でSC軽井沢クラブに勝ちました。
この結果、3チームが2勝2敗で並びましたが、各試合の前に先攻と後攻を決めるために行われる円の中心までの距離を競うショットの数値をもとに、SC軽井沢クラブが上位2チームによる決定戦に進むことが決まりました。
残るフォルティウスとロコ・ソラーレは、決定戦進出をかけて、13日午前8時から8エンド制の「タイブレーク」で対戦することになりました。
勝ったチームが、13日午後2時から行われる決定戦の第1戦でSC軽井沢クラブと対戦します。
日本代表決定戦についてNHKはBSや総合で中継します。
SC軽井沢クラブ 上野美優「楽しい戦いにしたい」
SC軽井沢クラブのスキップ、上野美優選手は「決定戦に進めてうれしい。まだまだたくさん試合ができることの喜びがとてもあるが、きょうは後半のミスでチャンスをものにできなかった部分もあったので、修正していきたい」と話していました。
また、13日の決定戦については「この先も経験したことがない戦いに臨むが、チームとしてどう戦うのか、どう成長していきたいのかを確認しながらミーティングをしっかり行い、メリハリをつけて頑張っていきたい」と話しました。
そのうえで「全部の試合が楽しい。その気持ちを持ちながらいいパフォーマンスもできているので、あすも引き続き今まで以上のパフォーマンスを発揮して、楽しい戦いにしていきたい」と笑顔を見せました。
フォルティウス 吉村紗也香「あすの試合 全力で戦いたい」
フォルティウスのスキップ、吉村紗也香選手は予選リーグの最終戦について「中盤、後半にさしかかるところを2点リードしたいい状況で臨むことができ、集中力を高めた状態で終わることができた」と振り返りました。
11日2連敗のあとに12日2連勝したことについては「1つ1つのショットをみんなで決めていくということに集中し、『勝つんだ』という強い思いを持って臨むことができた。この2試合を勝ち切ることで自分たちの強さを見せつけることにもつながった」と話していました。
そのうえで13日のタイブレークに向けて「負けられないところからここで上がれるか、落ちるか、あすの試合が勝負だと思うので緊張感を味わいながらベストパフォーマンスを発揮して、全力で戦っていきたい」と引き締まった表情で話していました。
ロコ・ソラーレ2連敗で混戦に
カーリングの日本代表決定戦の女子、予選リーグは総当たりで2回ずつ戦い、上位2チームが決定戦に進む方式で、11日までの結果はロコ・ソラーレが2勝、SC軽井沢クラブが1勝1敗、フォルティウスが2敗でした。
12日午前の試合ではロコ・ソラーレとSC軽井沢クラブが対戦し、勝てば決定戦に進めたロコ・ソラーレは、同点で迎えた最終の第10エンドに藤澤五月選手が最後の1投を中心に寄せれば得点できる場面でしたが、ミスショットとなって相手に1点を奪われ4対5で敗れました。
ロコ・ソラーレは続く午後のフォルティウスとの試合では、3点を追う終盤の第9エンドにハウスと呼ばれる円の中心に積極的にストーンを集めて3点を奪って同点に追いつきましたが、最終の第10エンドに1点を勝ち越され、6対7で敗れました。
藤澤五月「シンプルに悔しい」
ロコ・ソラーレのスキップ、藤澤五月選手は2連敗を喫した試合の直後に「悔しいです。ラストショットでミスをした午前の試合に比べると最後は決められたのでポジティブな部分はあると思うが、その前の段階でスチールされるなどしてもったいなかった。よかった部分も反省点もあるが、シンプルに悔しい」と反省を口にしました。
2連勝のあとの連敗については「最初の負けは私のミスだが、アイスの状況に応じた自分たちの合わせ方を方法的に間違えてしまったと思う。どうして負けたのか、どうしてミスが出たのかは、はっきりしているので、これまでの練習の成果をもう一度、思い出して次の試合に臨みたい」と話していました。
そして、これまで数多くの逆境をはねのけてきたことを踏まえて「私たちもむだにこれまで崖っぷちに追い込まれてきた訳ではないので、それを生かしつつ、練習してきたことや培ってきたことを信じて全員で1つのショットを決めきりたい」と話していました。