国内最大級の規模と推定される竜巻が静岡県で発生してから12日で1週間です。住宅の被害は台風による浸水被害も含めて1900棟を超え復旧には時間がかかる見通しで、被災者の生活再建が課題になっています。
今月5日、静岡県では台風15号の接近に伴って突風が相次いで発生し、気象台は牧之原市から吉田町にかけて確認された突風は竜巻で国内最大級の規模だったと推定しているほか、掛川市、焼津市、伊東市、それに菊川市でも竜巻が発生した可能性が高いとしています。
11日午後2時時点の静岡県のまとめによりますと、死者は吉田町で1人、重傷は牧之原市と吉田町でいずれも4人のあわせて8人、軽傷は牧之原市で64人、吉田町で7人、焼津市で2人、伊東市と浜松市がそれぞれ1人のあわせて75人となっています。
住宅の被害は台風による浸水被害も含めあわせて1948棟に上っていて、特に被害が大きい牧之原市では、全壊が1棟、半壊が149棟、一部損壊が960棟などとなっています。
停電は解消しているものの、牧之原市の一部の住宅では電気の引き込み線が切れるなどして、電気が使えない状況が続いています。
今後も雨や暑さが続く中、数多くの住宅の復旧には時間がかかる見通しで、被災者の生活再建が課題になっています。
片付け続く いまも家の中にガラスの破片
被災地では片づけが続いています。
このうち牧之原市の住宅では竜巻の影響で壁がはがれたり窓ガラスが割れたりする被害があり、今も家の中にはガラスの破片が散らばっていました。
この家に住む40代の女性は避難所で生活しながら日中、自宅の片づけを続けているということです。
女性は「もうことばにならないです。体は限界ですがやるしかないので片づけをしています。避難生活で居場所がないので1日でも早く住む場所がほしいです」と話していました。
市は住民が避難所での生活や車での寝泊まりなどを余儀なくされていることから、住宅被害を受けた人が民間の賃貸住宅を借りる際に行政が賃料などを負担するいわゆる「みなし仮設」を確保する方針を12日、明らかにしました。