ウクライナで過去最大規模の無人機・ミサイル攻撃 2025年7月5日 20時12分 ウクライナ情勢 ウクライナでは、アメリカからの一部の兵器の輸送の停止で防空能力の低下に懸念が出る中、4日にかけて、ロシア軍による過去最大規模の攻撃がありました。また、ウクライナの外相はロシア軍が先月、都市などの攻撃に使った無人機は、5000機以上だったと明らかにしました。ウクライナは相次ぐ攻撃を受け、被害が拡大しています。 ウクライナ空軍の発表によりますと、ウクライナでは3日夜から4日にかけて、ロシア軍の無人機530機以上とミサイル11発による攻撃がありました。 このうち主要な標的となった首都キーウのクリチコ市長によりますと、これまでに2人が死亡したほか、住宅やインフラに被害が出たということです。 ゼレンスキー大統領は4日、SNSに「過去最大規模の攻撃だった。大規模な圧力がない限り、ロシアがこの愚かで破壊的な行動を変えることはない」と投稿し、アメリカなどに対し、ロシアに対する圧力強化を求めました。 ただ、アメリカのトランプ政権は今月1日、ウクライナへの一部の兵器の輸送を停止したと明らかにしており、アメリカの有力紙は、この中には、防空ミサイルも含まれていると報じていて、防空能力の低下が懸念されています。 一方、ウクライナ軍の参謀本部は5日、特殊部隊がロシア西部ボロネジ州にある軍用飛行場を攻撃したと発表しました。 この中で、飛行場はロシア軍の戦闘爆撃機などの拠点だとした上で「敵の空爆能力を低下させるための攻撃だった」と明らかにしました。 ウクライナ外相 “ロシア軍が攻撃に使った無人機5000機以上” ロシアはこのところ、ウクライナに対する攻撃を一段と激化させていてウクライナのシビハ外相はロシア軍が先月、都市などの攻撃に使った無人機は、5000機以上だったと明らかにしました。 月別では侵攻開始以来最多だったと伝えられています。 ミサイルの数も増えていて、先月は239発と前の月のおよそ2倍となりました。 各地で被害が相次いでいて、首都キーウでは先月17日にかけての攻撃で集合住宅の一部が崩れるなどして28人の死亡が確認されたほか、今月4日にかけても、首都キーウを中心に530機以上の無人機などによる最大規模の攻撃があり、死傷者が出ました。 アメリカのシンクタンク戦争研究所は先月29日、ロシアが無人機や弾道ミサイルなどの生産を拡大させているとの分析を示し、ウクライナ軍が撃墜できなかったミサイルもあったと指摘しています。 ウクライナのゼレンスキー大統領は、防空能力を強化する必要性を繰り返し訴えていますが、アメリカのトランプ政権は今月1日、外国への軍事支援を見直す一環として、ウクライナへの一部の兵器の輸送を停止したと明らかにしました。 アメリカの有力紙は、隣国のポーランドまで運ばれていた防空システム「パトリオット」のミサイルと携帯型の地対空ミサイル「スティンガー」、それぞれ20発以上の輸送も停止したと伝えていて、ウクライナは懸念を強めています。…