松山 土石流災害から1年 犠牲者の友人が手をあわせ悼む | NHK

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松山市の松山城がある山が崩れて親子3人が犠牲になった土石流災害から12日で1年となり、ふもとの現場では犠牲者の友人が静かに手をあわせていました。

去年7月12日、松山市の松山城がある山で土石流が発生してふもとの住宅に住んでいた高齢の夫婦と息子の3人が死亡、周辺のマンションや住宅にも土砂や流木が流れ込んで住民の多くが避難生活を余儀なくされました。

発生から1年となる12日、亡くなった息子と20年ほど前からバスケットボールの社会人サークルを通じて交流のあった大西英之さん(46)が現場を訪れました。

大西さんは、現在はさら地となっている住宅の跡地に友人が好きだったスポーツ飲料を供えたあと、静かに手を合わせて犠牲になった3人を悼みました。

また、現場には近隣のマンション住民からの「あの日から1年がたちましたが、今も胸に残っています。心よりご冥福をお祈りします」というメッセージとともに花が供えられていました。

大西さんは「亡くなったというニュースを聞いたときはとてもショックで、最後にもう一度、会いたかったです。被害を風化させたくないですし、ほかにも同じように土砂崩れが起こりそうな場所があるのであれば、すぐに調べてもらってこのようなことが起こらないように対応してほしいです」と話していました。

文化財のある山の斜面など1200か所で災害リスク高く

松山城は国の重要文化財に指定されていて、土石流は城がある山の斜面で発生しました。

文化庁が文化財のある全国の山の斜面などを調査したところ、大雨や地震などの際に災害が発生するリスクが高い斜面は全国で1200か所に上ることがわかり、対策を急ぐことにしています。

豪雨や地震などが相次ぐ中、文化庁は、災害時のリスクが高い文化財を把握しようと去年、全国の自治体の協力を得て国の史跡や名勝などの区域内にある斜面の状況を調べました。

その結果、大雨や地震などで崩れた場合、人命に被害が及んだり文化財の価値を大きく損なったりするおそれがある斜面は、1200か所に上ることがわかりました。

中には松山城がある山の土石流が起きた場所とは別の斜面も含まれていました。

文化庁では1200か所のうち世界遺産や特別史跡などの斜面、250か所について優先的に補強などの対策を行い、2030年度までに完了させることにしています。

また、斜面のほかに熊本城など石垣の崩落も相次いでいることから、全国111か所の石垣についても、2045年度までに保全対策を完了させる方針です。

文化庁文化資源活用課の横田悠人専門官は「文化庁としても予算を確保して全国の自治体による斜面対策を支援し、単純に崩落リスクがある箇所ではなく、文化財の価値への影響や人的被害のリスクがある箇所を重点的に対策していきたい」と話していました。

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