満月が地球の影に覆われて赤黒く輝く「皆既月食」が、8日未明、およそ3年ぶりに日本で観測されました。

「皆既月食」は、太陽と地球と月が一直線に並び、満月が地球の影に完全に覆われる現象です。

国立天文台によりますと、8日午前1時27分ごろから南西の空にある月が欠け始め、午前2時30分ごろ、月全体が地球の影に入り皆既月食の状態となりました。

日本で皆既月食が観測されたのは、2022年11月以来、およそ3年ぶりです。

東京・渋谷の「渋谷スクランブルスクエア」の屋上にある展望施設では、晴れて星空が広がるなか、午前0時半から観測イベントが行われ、およそ140人が参加しました。

満月が徐々に欠けていき、皆既月食の状態になると「赤銅色」と呼ばれる独特の赤黒い色に輝く様子が観測され、参加した人たちは望遠鏡や双眼鏡をのぞいたり、写真を撮ったりして、天体ショーを楽しんでいました。

20代の男性は「月が欠けきったところでやっと赤くなるという移り変わりが面白かったです。宇宙の壮大さを身近に感じられました」と話していました。

国立天文台によりますと、次に日本で見られるのは、来年の3月3日、ひな祭りの夜だということです。