WHO=世界保健機関は感染症の「エムポックス」、これまでの「サル痘」の感染者が減少しているとして、およそ1年前から出していた緊急事態の宣言を終了すると発表しました。

WHOのテドロス事務局長は5日、記者会見を開き、エムポックスについて、アフリカ中部での感染拡大を受けて去年8月から出していた「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を終了すると発表しました。

「エムポックス」は、発熱や発疹などの症状が現れるウイルス性の感染症で、WHOによりますと、感染者や死者が減少していることなどを考慮し、緊急事態の宣言の終了を判断したということです。

テドロス事務局長は、感染が広がった地域ではこれまでにおよそ100万回分のワクチンが接種済みだとして、感染拡大の防止に向けたさまざまな取り組みが進められてきたと強調しました。

感染が特に広がっていたアフリカ中部のコンゴ民主共和国では、日本の企業が開発したワクチンも提供されています。

一方、WHOは、最大の資金拠出国アメリカの脱退表明を受け財政難に直面しています。

テドロス事務局長は、今後、エムポックスの感染が再び拡大するおそれもあるとしたうえで「資金不足により対応能力がひっ迫している」と述べ、各国に支援の継続を呼びかけました。