プラスチック環境汚染防止 国際条約目指す会議 協議は難航 2025年8月14日 6時24分 環境 プラスチックによる環境汚染を防ぐため、初めての国際条約のとりまとめを目指してスイスで行われている会議が、14日、予定された最終日を迎えますが、焦点となっているプラスチックの生産量の規制を盛り込むかどうかなどをめぐって各国の間で意見の隔たりがあり、協議は難航しています。 この会議は、2022年の国連環境総会の決議を受けて設けられたあと、条約のとりまとめを目指して続けられていて、8月5日にスイスのジュネーブで再開した今回の会議にはおよそ180の国と地域の代表者が参加しています。 14日に予定されている最終日に向けて閣僚級の会合などが行われていますが、EU=ヨーロッパ連合や太平洋の島しょ国などがプラスチックの生産量に規制を設ける必要性を主張する一方、サウジアラビアなどプラスチックの原料となる石油の産出国は反発しています。 さらに、アメリカのトランプ政権から初めて参加している代表団もプラスチックの生産量の規制に消極的な姿勢を示し、意見の隔たりが続いています。 9日に公開されたこれまでの議論を踏まえた条約案では、プラスチックの生産量の規制を含む論点についてさまざまな案が併記されていて、太平洋の島しょ国でつくるグループを代表して声明を発表したツバルによりますと、文言が合意できていない箇所は1000を超え、協議は難航しているということです。 13日には新しい議長案も示されましたが、プラスチックの生産量の規制に直接関わる条文がなくなっていて、規制の強化を求める国からは「受け入れられない」などと反発が相次ぎました。 会議は14日に予定された最終日を迎えますが、延長は避けられないとの見方も出ていて、各国が歩調を合わせ条約をとりまとめられるか注目されます。 プラスチックごみのリサイクル フランスの企業では 今回の会議で焦点の1つとなっているのが、プラスチックごみのリサイクルのあり方です。 EU=ヨーロッパ連合では、使い捨てのプラスチック製品の流通を規制するなどリサイクルを推進する政策を進めています。 こうした政策の後押しも受けながら事業を拡大する企業も現れていて、このうち建材などを製造するフランスのメーカー「ル・パべ」は、国内を中心に回収したプラスチックごみだけを製品の材料に使用しています。 使い捨てプラスチックの削減を目指した去年のパリオリンピック・パラリンピックで表彰台や一部の競技場の座席を受注したことをきっかけに事業規模が拡大し、これまでにリサイクルしたプラスチックの量は1000トンを超えているということです。 「ル・パベ」のマリウス・アムロCEOは「パリオリンピックは、リサイクルされた製品の品質の高さと循環型経済は両立できるのだということを示す絶好の機会でした」と振り返っていました。…