
ASEAN=東南アジア諸国連合の加盟国とアメリカや中国、ロシアなどが参加したEAS=東アジアサミットの外相会議がマレーシアで開かれ、中国が海洋進出を強める南シナ海の問題やロシアによるウクライナ侵攻などをめぐって議論が交わされました。
東アジアサミットの外相会議は、11日、マレーシアの首都、クアラルンプールで開かれ、ASEAN加盟国の外相などに加え、日本の岩屋外務大臣やアメリカのルビオ国務長官、それに中国の王毅外相やロシアのラブロフ外相などが出席しました。

会議の冒頭、議長国を務めるマレーシアのモハマド・ハサン外相は「世界は大国間の競争の激化や経済の分断など、平和や繁栄を脅かす複雑な危機に直面している」と述べ、大国どうしの対立に巻き込まれることに強い懸念を示しました。
外交筋によりますと、会議では、中国が海洋進出を強める南シナ海の問題や、ロシアによるウクライナ侵攻などをめぐり議論が交わされたということです。
一方、焦点の1つとなっていたアメリカのトランプ政権による関税政策については議論は行われなかったとしています。
NHKが入手した議長声明案では、アメリカの関税政策への直接的な言及はなく、「世界的な貿易摩擦の高まりと経済情勢における不確実性の増大に懸念を表明する」などとなっています。
ASEAN加盟国は、アメリカに対する報復措置は取らない方針で、今後、個別に交渉を進めるとともに貿易の多角化をはかることにしています。