マンホールのふたが飛ぶ 「エアーハンマー現象」とは | NHK

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マンホールのふたが飛ぶ 「エアーハンマー現象」とは

気象

10日夜の猛烈な雨で横浜市港北区ではマンホールのふたが飛んで水が噴き出し、周辺の道路が割れました。

横浜市は大量の雨水が流れ込んだことで、下水道管内の空気圧が高まる「エアーハンマー現象」が起きたとみて対策を進めることにしています。

10日午後7時半すぎ、横浜市港北区の交差点でマンホールのふたが飛んで猛烈な勢いで水が噴き出し、周辺の道路のアスファルト部分が割れました。

横浜市などによりますと、この際、飛び散ったアスファルトの破片が近くの車3台に当たり、このうちの1台に乗っていた39歳の母親と9歳の男の子が軽いけがをしたということです。

気象庁によりますと、港北区付近では、10日午後7時40分までの1時間にレーダーによる解析でおよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、横浜市は、短時間のうちに大量の雨水が流れ込んだことで、下水道管内の空気が圧縮されて圧力が高まる「エアーハンマー現象」が起きたとみています。

現場の道路では、マンホールを埋めるなどして復旧工事が行われ、11日未明には車の通行はできるようになりました。

横浜市は今後、マンホールの縦穴部分に空気を逃すための配管を新たに設置するなど対策を進めることにしています。

「エアーハンマー現象」とは

10日夜、横浜市港北区でマンホールのふたが飛び、水が噴き出したうえ、周辺の道路も割れた原因についてマンホールの構造に詳しい専門家は、短時間に大量の雨水が流れ込み下水道管内の空気圧が高まる「エアーハンマー現象」が、起きた可能性が高いと指摘しています。

10日午後7時半すぎ、横浜市港北区の交差点でマンホールのふたが飛んで猛烈な勢いで水が噴き出し、周辺の道路のアスファルト部分が割れました。

これについて、日本グラウンドマンホール工業会の大石直豪事務局長は「想定以上の集中豪雨によって、下水道管に大量の水が短い時間の間に急激に流れ込んだことにより、空気が一瞬にして圧縮される『エアーハンマー現象』が起きて地表部分に空気が噴き出た後、大量に流れ込んだ水が噴出したのではないか」と指摘しました。

また、大石さんによりますと、一般的にマンホールのふたと、ふたを支える「受枠」と呼ばれる部分であわせて80キロの重さがあるということですが、今回の事例では、これに加えてコンリート製の構造部分も一緒に飛んでいるとみられるということです。

これについて、大石さんは、あくまで推測とした上で、「今回は、おそらく第2波の『エアーハンマー』が押し寄せたのではないか。噴き出ている水の下に別の場所で圧縮された空気が控えていて、その空気がどこにいこうとなって、アスファルトのわずかな隙間から爆発的な力で構造部分ごと押し上げた可能性がある」と話しています。

大石さんによりますと「エアーハンマー現象」は低い土地にあるマンホールや下水道管が交わる場所などで起こりやすいということで、現在は、取れにくいふたへの交換などの対策も進められているということです。

大石さんは「マンホールのふたから『カタカタ』や『シュー』などといった聞き慣れない音が聞こえるなどしたときはマンホールのそばから離れてほしい」と注意を呼びかけています。

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