
金融庁 「監督局」から保険会社担当部門を分離 監督体制強化へ
保険業界で保険金の不正請求をはじめさまざまな問題が相次いだことから、金融庁は「監督局」から保険会社を担当する部門を分離させる組織再編を行い、監督体制を強化する方針です。
保険業界では旧ビッグモーターによる保険金の不正請求や、乗り合い代理店に出向していた保険会社の社員による顧客情報の漏えいなど、不正が相次いで発覚し、業界の信頼回復が喫緊の課題になっています。
こうした中、金融庁は金融業界の監督を行っている「監督局」から、保険会社の担当部門を切り離す組織再編を行い、業界の監督機能を強化することになりました。
具体的には保険会社の監督部門を資産運用や決済のデジタル化などを推進する部門と統合し、新たに「資産運用・保険監督局」を作ります。
一方「監督局」はメガバンクや地域金融機関、証券会社を監督する「銀行・証券監督局」に変更する予定で、来年度・2026年度の機構・定員要求に盛り込みました。
保険業界をめぐっては、日本生命の社員が出向先の銀行から保険営業に関する内部情報を無断で持ち出す問題も新たに発覚していて、金融庁としては監督機能の強化によって業界の立て直しを図れるかが課題となります。