内視鏡検査後に死亡 説明義務違反で賠償命令 東京地裁 2025年7月18日 19時35分 医療・健康 4年前の2021年に、東京の順天堂大学の病院で、内視鏡検査を受けた70代の女性が2日後に亡くなったことをめぐり、遺族が病院側を訴えた裁判で、東京地方裁判所は、死亡するリスクについての説明義務違反があったとして、合わせて6000万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。 4年前の2021年、東京 文京区の順天堂大学医学部附属順天堂医院で、胆道の内視鏡検査を受けた都内の72歳の女性が、検査のあと激しい腹痛を訴えて2日後に亡くなり、遺族は、検査の方法に過失があり、事前にリスクについての十分な説明がなかったとして、病院を運営する法人と医師に賠償を求めました。 病院側は「死亡するリスクも説明していた」などとして争いました。 18日の判決で、東京地方裁判所の一場康宏裁判長は「今回の検査には死亡するリスクがあったが、医師は、女性に対して検査のリスクは胃カメラと同程度のものだと理解させる説明をし、その誤信を解かないまま検査を行ったという点で説明義務違反がある」と指摘しました。 そのうえで、「女性が検査を受ける緊急性は必ずしも高くなく、死亡の危険性が適切に説明されていれば、家族と相談して検査を見送っていた可能性が高い」として、説明義務違反と、死亡との因果関係を認め、病院側と医師に合わせて6000万円余りの支払いを命じました。 一方、検査の方法に過失があったとする主張は、認めませんでした。 今回の医療事故をめぐり、女性の遺族は、検査を行った医師について業務上過失致死の疑いで告訴状を提出していて、警視庁が受理し、捜査を進めています。 遺族 “たった2日で命が奪われるなんて” 判決のあと、女性の遺族が弁護士とともに都内で会見を開きました。 亡くなった女性の夫は「妻は、4人の子どもと10人の孫の中心で、太陽のように輝いていました。健康な人間が2日間で亡くなってしまい、非常にショックで、苦しい思いをしました。私と同じような思いをする方が、これ以上出ないように世の中を変えてもらいたい」と話していました。 女性の娘は「ただの検査と言われて、何の疑いもなく入院しました。たった2日で命が奪われるなんて想像すらしていませんでした。医師の責任とは何か、社会全体で改めて問い直してもらいたい」と話していました。 また、杉山真一弁護士は「遺族が第三者機関に調査を申し立てていなければ、真相究明は妨げられていただろう。判決は説明義務違反と死亡との因果関係を認めていて、画期的で高く評価できる」と述べました。…