戦争の過酷な体験 兵士たちの「心の傷」 国が調査 展示始まる 2025年7月23日 21時01分 戦後80年 先の大戦での過酷な体験によるトラウマなど、兵士たちが負った「心の傷」に焦点を当てた国による初めての調査が進められ、23日から国の史料館で展示が始まりました。 「しょうけい館」(東京・千代田区) 「心の傷を負った兵士」と題された展示が始まったのは、戦傷病者の歴史を伝える国の史料館で、東京 千代田区にある「しょうけい館」です。 国は昨年度から、国としては初めて兵士やその家族の「心の傷」に焦点を当て、患者や研究者の資料のほか、戦傷病者の家族の体験記などの調査を始めました。 展示では、陸軍における先の大戦末期の4年間の戦病者は分かっているだけでもおよそ785万人いて、そのうちおよそ8%にあたる67万人が「精神病・その他の神経症」だったとしています。 また、精神や神経疾患を発症した兵士の治療を中心的に行った国府台陸軍病院の1万人余りの患者の疾患について、現在の統合失調症にあたる「精神分裂病」がおよそ4300人で4割以上を占め、「ヒステリー」がおよそ1200人で1割余りなどと、紹介されています。 さらに、症状の経過を家族がつづった記録には、戦後およそ30年がたっても、仕事ができずに「生活が極度に苦しい」とか世間から「馬鹿にされている」などと書かれています。 今回の調査はカルテが残されている患者など、戦傷病者として確認できるケースが対象ですが、医療機関を受診しなかった人も少なくないとの指摘があり、国は今後の調査についてもさらに検討するとしています。 訪れた70歳の男性は「幼いとき近所に『戦争ぼけ』と言われてからかわれていた人がいたことを思い出しました。戦争が起きれば、こうした長引く被害も生んでしまうことを感じました」と話していました。 しょうけい館 北村明事務局長 しょうけい館の北村明事務局長は「心の傷を負って、長い間、本人や家族は苦しんでいた。多くの人にこうした状況を知ってほしい」と話していました。この展示はことし10月までの予定ですが、来年2月ごろからは規模を拡大して常設で展示する方針だということです。…