万博の大屋根リング 閉幕後も一部残し 周辺を市営公園に整備へ 2025年9月16日 20時22分 大阪・関西万博 大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」について、万博の閉幕後も北東部分およそ200メートルを残したうえで、大阪市が周辺を市営公園として整備することで関係機関が合意しました。 大阪・関西万博の「大屋根リング」をめぐっては、博覧会協会と大阪府・市、それに経済界などでつくる検討会が、閉幕後の活用について協議を進めてきました。 16日開かれた検討会では、北東200メートルを人がのぼれる原型に近い形で残し、リングとその周辺を大阪市が万博を記念する市営公園として整備することで合意しました。 改修などに必要な費用については、市の支出に加えて、大阪府の負担や、国の交付金や補助金、万博の収支が黒字になった場合の「剰余金」の活用を検討するほか、協力する企業を探すとしています。 大阪府と大阪市は当初、リングの保存や管理を含めて会場の跡地を開発する民間の事業者を募集する計画でしたが、木材の傷みなどの調査に時間がかかることなどから、市が管理していく方針となりました。 改修と10年間の維持管理に必要な費用は、合わせておよそ55億円を見込んでいるということです。 博覧会協会の副事務総長「意義が大きい」 博覧会協会の小野平八郎副事務総長は記者会見で「万博のシンボルの大屋根リングを原型をとどめる形で残すことになったのは、意義が大きいと感じている。大阪市が保存を引き受けてくれるのは、安心感があるのでよかった。残さない部分についても、木材を再利用していきたい」と述べました。 大阪府 吉村知事「大きなハードレガシーに」 大阪府の吉村知事は、記者団に対し「当初は批判だらけだったが、万博が開幕すれば多くの人が大屋根リングを評価すると思っていた。原型に近い形で残るのは大きなハードレガシーになると思う。閉幕後、またリングにのぼって万博の時に見上げていた空と同じ空を見上げてもらいたい」と述べました。 大阪市 横山市長「レガシーを感じてもらえる施設に」 大阪市の横山市長は記者団に対し「民間の事業者による保存を模索したが、現実的に不可能となり、市として新しい提案をした。皆さんの知恵で200メートルを都市公園として残していく方針が固まったことをうれしく思う。この場所で万博が行われたというレガシーを感じてもらえる施設になると思う」と述べました。…