
テニスの四大大会、全米オープンの女子シングルス準々決勝で大坂なおみ選手がチェコのムホバ選手に勝って5年ぶりに準決勝に進みました。大坂選手は出産を経て競技に復帰して以降、四大大会では初めてのベスト4です。
テニスの四大大会、今シーズン最終戦となる全米オープンは3日、女子のシングルス準々決勝が行われ、2018年と2020年にこの大会を制した大坂選手が2年続けてベスト4に入っているチェコのムホバ選手と対戦しました。
現在の世界ランキングは大坂選手の24位に対してムホバ選手が13位、過去の対戦成績は2勝2敗で、直近で対戦したことしの全豪オープンでは大坂選手が勝っています。
第1セットは互いにサービスゲームをキープし続ける展開となりましたが、大坂選手が第10ゲームで初めてブレークを奪ってこのセットを6-4で取りました。
4回戦まですべてフルセットの試合で勝ち上がってきたムホバ選手は、第2セットは左足の太ももにテーピングを巻いて臨み、先にブレークを奪うなど巻き返しを見せました。
このセットは互いにブレークを2つずつ奪う展開でタイブレークに入り、大坂選手は最後まで冷静なテニスを貫いて、7-6で取ってセットカウント2対0でストレート勝ちしました。

大坂選手は全米オープンでは優勝した2020年以来、5年ぶりの準決勝進出で、出産後の去年1月に競技に復帰して以降、四大大会では初めてのベスト4となり元世界1位の実力を示しました。
準決勝は4日に行われ、大坂選手は世界9位、アメリカのアニシモバ選手と対戦します。
大坂「次の試合も楽しみにして」

大坂選手は、試合後にコート上で行われたインタビューで「ムホバ選手は世界でもベストな選手の1人で、対戦するときは毎回難しい試合になります。去年はこの大会でベストなパフォーマンスをして彼女に負けているので不安はありましたが、復帰後初めて準決勝に進むことができてうれしい」と振り返りました。
そのうえで「出産後は観客席から試合を見て、もう一度このコートでプレーする機会を得られればと思っていたので夢がかなった気持ちです。いま泣いていないことに自分自身、驚いています。次の試合も楽しみにしていてください」と話し、笑顔を見せていました。
これまでの大会では
これまで大坂選手が四大大会で準々決勝に進んだのは2018年と2020年の全米オープン、2019年と2021年の全豪オープンのあわせて4回で、このときはすべて優勝を果たしています。四大大会に限っては準々決勝以降の勝率は100%と無類の勝負強さを発揮していて、この試合でもデータどおりの強さを見せました。準決勝の相手のアニシモバ選手とはこれまで2022年に2回対戦し、いずれも大坂選手が敗れています。全米オープンでははじめての顔合わせで、分が悪い相手に対して大坂選手が“勝率100%”の勢いを維持できるか注目です。
大会の賞金総額 過去最高“約133億円”
大会の主催者によりますと全米オープンの賞金総額は四大大会で最も高く、ことしは9000万ドル、日本円でおよそ133億円で過去最高となっています。このうち、男女のシングルスは優勝賞金が去年の360万ドルからおよそ40%上がって500万ドル、およそ7億4000万円となります。準優勝が250万ドル、およそ3億7000万円で、ベストフォーの大坂選手はこの時点で少なくとも126万ドル、およそ1億8600万円を手にすることが決まっています。また、1回戦に出場した選手でも11万ドル、およそ1600万円の賞金になるということです。