22日に告示され、5人が立候補した自民党総裁選挙(来月4日投開票)。新しい総裁の座を目指す候補者たちの29日の活動をまとめました。
小林氏「エッセンシャルワーカーの処遇 引き上げたい」
小林 元経済安全保障担当大臣は午後、東京・港区にある日本理学療法士協会を訪問し、斉藤秀之会長とリハビリの専門家である理学療法士の仕事内容や処遇などをめぐって、意見を交わしました。
このあと小林氏は記者団に対し、「理学療法士はいろいろな理由で頑張れない人を頑張れる状況に持っていく仕事をしていて、私が総裁選挙に臨む思いともリンクしている。理学療法士を含めた医療、介護、看護、保育などのエッセンシャルワーカーの処遇を、物価上昇に負けない形で引き上げたい」と述べました。
一方、後半に入った選挙戦について「党員投票の期限も迫ってくるので、地方議員にも改めて支持を呼びかけ勢いを増していきたい。同志とともにひたすら訴え続ける」と述べました。
小林陣営 松本選対本部長「国民をどれだけ味方につけられるか」
小林氏の陣営の選挙対策本部長を務める、松本洋平衆議院議員はNHKの取材に対し「明確な国家ビジョンを持ち、それに対する具体的な政策も持ち合わせている候補者として小林氏を応援している。今の日本に必要なリーダーはしっかりとビジョンを持って前へ進め、チームとして形に変えていく力が求められている。人柄や掲げる政策、予定されていない質問に対する答えなど非常に手応えを感じている」と述べました。
その上で「党員票の締め切りはまもなくで、その後、議員票に焦点が当たっていくが、大切なことは国民をどれだけ味方につけることができるかだ。愚直に国民に訴えかけ、結果として国会議員にも支援いただく活動を展開していきたい」と述べました。
茂木氏「自衛隊を憲法に明記 しっかり進める」
茂木前幹事長は沖縄県を訪れ、海上自衛隊と航空自衛隊の那覇基地を視察しました。
このあと茂木氏は記者団に対し「国民の安心と日本の平和は、自衛隊のたゆまざる努力で保たれていることを実感した。厳しい任務にあたっている隊員の処遇改善はもちろん、自衛隊を憲法に明記していくこともしっかり進めていかなければならないという思いを強くした」と述べました。
茂木陣営 新藤選対幹事長「手腕に期待の声 高まっている」
茂木氏の陣営の選挙対策本部で幹事長を務める新藤政務調査会長代行はNHKの取材に対し、「茂木氏は要職を歴任し、経済や財政、外交・安全保障など、あらゆる分野に精通した候補者だ。論戦を通して、政策力や経験、安定性、突破力が皆さんに伝わっている。日本の再生に向け、手腕に期待したいとの声は高まっていると感じる」と述べました。
そのうえで「提案したことは実行しないといけないので、どう経済が好転するか、日本が大きな力を持てるのか訴えていく。来月にはトランプ大統領が来日する可能性が伝えられている。総理大臣になってすぐに仕事にとりかかり、結果を出せるのは茂木氏だということを訴え、支持拡大を図っていきたい」と述べました。
林氏 党本部であいさつ回り
林官房長官は午前、自民党本部で党の職員が勤務する部屋や食堂、売店などを回り、職員らに「総裁選挙の準備で負担をかけていますが、残り1週間よろしくお願いします」などと声をかけました。
そして自身の政策を記載した名刺を配ったり、握手をしたりしていました。
林陣営 田村選対本部長「かなり追い上げている感覚」
林氏の陣営の選挙対策本部長を務める、田村 元厚生労働大臣はNHKの取材に対し、「林氏はこれまでの論戦でどんな課題に対してもわかりやすく説明している。衆参両院で議員をして重い役職を務めてきた。野党にもパイプがあり、人柄的にも人望も、安定した国会運営をするためには誰が一番ふさわしいのか、一定程度、理解を頂いている」と述べました。
その上で「かなり追い上げてきている感覚があり、国会議員の支持も広がってきていると認識している。多くの議員がまだ意思表示していないので、これからの日本を考えた場合、『林芳正という選択が非常に大きなものだ』と訴えたい。1票でも多く確保して2位までに入っていく」と述べました。
高市氏 医療機関を視察「女性の健康は国の力のもと」
高市 前経済安全保障担当大臣は午後、東京・世田谷区の国立成育医療研究センターを訪れ、早産などで生まれた赤ちゃんのための集中治療室を視察しました。
そして、去年設けられた女性の病気の診療と研究で国内の拠点となっている「女性の健康総合センター」で、婦人科と不妊診療科の診察室を見て回りました。
このあと高市氏は記者団に対し「女性の健康は国の力のもとになる。女性の健康と小児の健康の2つが一緒になっていることが大事で、同じようなセンターが全国各地にできるよう一生懸命、努力していく」と述べました。
一方、後半に入った選挙戦について「これまでも一日一日、心を込めて精いっぱいやってきたが、これからも同じだ。よい結果が出るよう頑張っていく」と述べました。
高市陣営 中曽根選対本部長「初の女性首相実現に期待の声」
高市氏の陣営の選挙対策本部長を務める中曽根弘文 元外務大臣はNHKの取材に対し、「期待の声は日ごとに高まってきている。高市氏はこの1年間ずっと全国を回り、地域の厳しい状況や要望を聴いてきた。地方の党員からは大きな期待が寄せられていて、初の女性総理大臣の実現に期待する声もずいぶん寄せられている」と述べました。
そのうえで「高市氏は勉強家で非常に政策に明るく、しかも深みがある。後半戦はそういう点を大いにアピールしていく。経済を成長させて国民生活を豊かにする点を訴えていくことも大事で、最後まで勝利を目指して頑張っていく」と述べました。
小泉氏 介護施設で意見交換「少しでも処遇の改善を」
小泉農林水産大臣は午前、東京・中野区の介護施設を視察し、職員と車座で意見交換を行いました。
この中では、施設内で電子化を進めたことで残業が減り、入所者の体調管理がしやすくなったという説明の一方、人手不足で休みを取りにくい状況があり、待遇面から優秀な人材が入ってこないという声も出されました。
このあと小泉氏は記者団に対し、「きょうの現場である介護を含め、看護や教育など公定価格で働いている人の処遇を改善することは総理・総裁になったあかつきには、補正予算案の中で物価高対策をやる。少しでも処遇の改善につながるような形を考えたい」と述べました。
一方、野党との連携のあり方について「連立政権をしっかり成り立たせるためには構築しなければいけない信頼関係や基本的な認識の一致が必要だ。総裁に選ばれたら直後に各党にあいさつをして『ここは協力できる』ということがあれば協力することは幅広く行いたい」と述べました。
小泉陣営 加藤選対本部長「支援の輪が広がり 手応え感じる」
小泉氏の陣営の選挙対策本部長を務める加藤財務大臣はNHKの取材に対し、「本部のメンバーが日々増えており、支援の輪が広がっているという手応えを感じている。前回の総裁選挙で一敗地にまみれて小泉氏本人も顧みるところもあり、1年間、農林水産大臣などとして取り組んできた。その一つ一つの姿勢を評価していただいている」と述べました。
そのうえで「われわれがなぜ小泉氏を支援しているかを話しながら、ぜひ支援の輪に加わってほしいと訴えていく。その熱量が伝わるか、われわれ自身も問われている。選挙は気を抜いた方が負けであり、気を引き締めて最後の1秒まで全力を尽くしていきたい」と述べました。