
日本とオーストラリアの外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」が東京都内で行われ、中国の軍事活動の活発化を念頭に自衛隊とオーストラリア軍による訓練の高度化など、安全保障協力をさらに拡大していくことで一致しました。
協議は東京都内のホテルで行われ、日本側から岩屋外務大臣と中谷防衛大臣が、オーストラリア側からウォン外相とマールズ国防相が出席しました。
この中では、中国の軍事活動の活発化を念頭に、東シナ海や南シナ海での力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対するとともに、台湾海峡の平和と安定は地域と国際社会の安全と繁栄に不可欠だとしています。
また、北朝鮮による核・ミサイル開発やロシアとの軍事協力を強く非難しました。
そのうえで、自衛隊とオーストラリア軍の間の「円滑化協定」を活用してより高度な訓練を実施することや、重要鉱物やエネルギー分野といった経済安全保障面での連携を強化するなど、安全保障協力をさらに拡大していくことで一致しました。
また、オーストラリアが計画する新型フリゲート艦の導入に際し、海上自衛隊の最新鋭の護衛艦をベースに共同開発を行う提案を選定したことについて、具体化に向けた協力を進めていくことも確認しました。
さらに、第三国で有事などの緊急事態が起きて両国の国民を退避させる場合、互いに協力する覚書を交わすことも確認し、こうした内容を盛り込んだ共同声明を発表しました。
岩屋外相「地域や国際社会の平和と安定に力強く貢献」
岩屋外務大臣は共同記者発表で「来年、『日豪友好協力基本条約』の署名から50周年を迎えるが、さらにその先の50年を見据え、地域や国際社会の平和と安定に日豪がともに力強く貢献していくという強固な決意のもと、率直な議論を行った」と述べました。
中谷防衛相「防衛協力の深化・発展で合意」
中谷防衛大臣は共同記者発表で「わが国の『もがみ』型護衛艦の能力向上型が、オーストラリアの次期フリゲート艦として選定されたことを契機に日豪の防衛協力をさらに幅広く深化・発展させていくことで合意した。協力のさらなる強化に向けて率直な議論を行うことができ、大変有意義だった」と述べました。