ことしのノーベル賞の発表が10月6日から始まるのを前に、イギリスの学術情報サービス会社が今後、受賞が有力視される研究者22人を発表し、日本からは国立循環器病研究センターの元研究所長、寒川賢治さんと、久留米大学 名誉教授の児島将康さんが選ばれました。
世界中の研究論文を分析するイギリスの学術情報サービス会社は、およそ6400万本の論文の引用回数などを分析して、ノーベル賞の受賞が有力視される研究者に「クラリベイト引用栄誉賞」を毎年贈っています。
ことしは8か国の研究機関から22人が選ばれ、日本からはノーベル生理学・医学賞の有力候補として
▽国立循環器病研究センターの元研究所長、寒川賢治さんと
▽久留米大学 名誉教授の児島将康さんが選ばれました。
2人は共同で研究を行い、1999年に胃から分泌される食欲などを調節するホルモンの「グレリン」を発見したことが評価されました。
2人の発見は拒食症などの治療への応用が期待されています。
記者会見に出席した寒川さんは「非常に光栄に思う。当時は世界中で『グレリン』の探索が行われていて、脳の中にあるのではないかと考えられていたが、ほかの場所も探したところ思いがけず胃から見つかった」と発見の経緯を振り返り、児島さんは「寒川さんとの受賞を誇らしく思う。食欲不振で悩む人たちに役立ててほしい」と話していました。
「クラリベイト引用栄誉賞」は去年までに441人が受賞し、このうち83人がノーベル賞を受賞しています。
ことしのノーベル賞の発表は来月6日の生理学・医学賞から始まり、7日に物理学賞、8日に化学賞、9日に文学賞、10日に平和賞、13日に経済学賞の発表がそれぞれ行われます。