9月12日の記録的な大雨で270台余りの車が水につかる被害が出た三重県四日市市の地下駐車場で、浸水を防ぐために車の出入り口に設置されていた装置が、大雨の前から2か所で故障し、作動できない状態になっていたことが関係者への取材で分かりました。

四日市市の中心部にある地下駐車場「くすの木パーキング」は、9月12日の記録的な大雨で出入り口などから大量の水が流れ込み、地下1階と2階に止めてあった合わせて274台の車が水につかる被害を受けました。

この駐車場には、車の出入り口が3か所あり、雨や高潮による浸水を防ぐため、ボタンで操作する「防潮板」と呼ばれる装置がそれぞれ設置されていましたが、このうち2か所が大雨の前から故障し、作動できない状態になっていたことが複数の関係者への取材で分かりました。

地下駐車場を運営する第三セクターの会社によりますと、この駐車場には車の出入り口のほかにも、地上とつながる利用者の出入り口が7か所、地下の歩道が2か所あり、大雨の際には常駐するスタッフなどが「止水板」を設置することになっていましたが、今回は急激に水位が上がったため「防潮板」の作動や、「止水板」の設置はいずれも難しかったとしています。

国土交通省や第三セクターの会社は当時の状況について確認を進めています。

「防潮板」が故障していた2か所の出入り口を管理する民間会社はNHKの取材に対し、「あす以降、内容を確認できしだい回答させていただきます」としています。