今月15日、フィリピンの首都マニラの路上で日本人2人が銃撃され殺害された事件について、警視庁が事件の首謀者の特定に向けて捜査を始めたことが捜査関係者への取材で分かりました。
今月15日、フィリピンの首都マニラで、日本人の男性2人がタクシーから降りた直後、拳銃で撃たれて殺害されました。
地元の警察などによりますと、殺害されたのは、いずれも都内に住んでいた佐鳥秀明さん(53)と、中山晃延さん(41)と分かったということです。
地元の警察は、いずれもフィリピン人で、銃撃したとみられる50代の男の容疑者と、兄で、タクシーに同乗してツアーガイドをしていたとみられる60代の容疑者を拘束し、現場から逃走した別の容疑者の行方も追うなど捜査を進めています。
容疑者らの1人は、首謀者の日本人から900万ペソ、日本円にしておよそ2300万円の報酬で殺害を依頼されたなどと供述しているということです。
この首謀者の日本人は日本に住んでいるとみられ、ツアーガイドの容疑者はこの首謀者がフィリピンを訪れた際に、運転手を務めていたということです。
この事件について、複数の日本人が関与した疑いがあるとみて警視庁が首謀者の日本人の特定に向けて捜査を始めたことが、捜査関係者への取材で分かりました。
今後は、フィリピンの警察と協力するなどして、捜査を進めるものとみられます。
海外事件の捜査は
刑法には「国外犯規定」があり、日本人が海外で殺人などの重大な犯罪を行ったり巻き込まれたりした場合、日本の刑法の効力が及ぶことを定めています。
この規定を適用すれば現地の捜査当局から情報提供を受け、日本の警察が捜査を行うことができます。
過去にこの規定を適用した事件としては、2019年に、フィリピンのセブ市で現地のフィリピン人に犯行を指示して妻を殺害したとして、神戸市に住む70代の夫が殺人の疑いで兵庫県警察本部に逮捕されています。