2.36 | NHK

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この夏の日本の平均気温は平年と比べて2.36度高く、気象庁が1898年(明治31年)に統計を取り始めてから最も高くなりました。
これまでで最も高かった去年とおととしを大幅に上回っていて、ことしの夏は「異常な高温」だったとしています。

気象庁によりますと、ことしは6月から各地で気温が高く、東京の都心の真夏日が過去最も多い13日となったほか、7月も北海道で40度近くになるなど危険な暑さが相次ぎました。

8月も危険な暑さが続き、5日には群馬県伊勢崎市で41.8度を観測して国内の過去最高を更新したほか、8月30日と31日も40度以上を観測し、年間で40度以上を観測した日数が9日となり、これも記録を更新しました。

このため、ことしの夏の日本の平均気温は平年と比べて2.36度高くなり、気象庁が1898年に統計を取り始めてから最も暑い夏となりました。

去年とおととしも過去最高となりましたが、平年との差はプラス1.76度で、ことしは大幅に上回り、「異常な高温」だったとしています。

北日本は平年を3.4度上回る

地域別で見ると北日本が特に高く、平年を3.4度上回っているほか、東日本は2.3度、西日本も1.7度上回り、いずれも地域別の統計を取り始めた1946年(昭和21年)以降で最も高くなりました。

沖縄・奄美は平年より0.5度高くなりました。

地方ごとの平均気温

「異常な高温」だった日本の夏の平均気温を地方ごとにみてみます。

北日本は平年より3.4度高くなりましたが、特に北海道は3.7度高くなっています。

東北も3.1度高くなりました。

北海道雄武町は平年を4.7度も上回っているほか、青森県八戸市も平年を4.1度、上回りました。

東日本は2.3度高くなっていて、関東甲信は2.4度、北陸は2.3度、東海は2.1度、それぞれ高くなっています。

水戸市で平年を3.1度、前橋市と埼玉県熊谷市では平年を3.0度、東京の都心では平年を2.8度それぞれ上回っています。

西日本では1.7度高くなっています。

近畿は2度ちょうど、中国地方は2.1度、四国は1.6度、九州北部と山口県は1.7度、奄美地方を除く九州南部は1.3度、いずれも高くなっています。

兵庫県豊岡市は平年を2.5度上回っています。

一方、沖縄と奄美は平年よりは高いものの、その差は0.5度でした。

ことしの梅雨の時期を見直し 各地で大幅に早まる

また、梅雨の時期を見直した結果、各地の梅雨入りや梅雨明けも大幅に早まりました。

九州北部から北陸 5月の梅雨入り
九州北部から北陸にかけては梅雨入りがこれまでの発表よりも3週間前後早まって5月の梅雨入りとなりました。

梅雨明けも関東甲信と北陸ではおよそ3週間早まって6月下旬となるなど、各地で早まり、この夏の記録的な暑さにつながりました。

全国各地の梅雨入りと梅雨明けの時期について、気象庁は天気の見通しに基づいて速報値として発表し、毎年この時期に実際の天気のデータを基に見直し、確定値として発表しています。

1日発表された確定値では、梅雨入りは九州北部から北陸にかけての各地でこれまでの発表よりも3週間前後と大幅に早まりました。

地域別にみますと
▽沖縄は5月22日ごろから5月5日ごろに
▽奄美は5月19日ごろから5月5日ごろに
▽九州北部と山口県は6月8日ごろから5月16日ごろに
▽四国は6月8日ごろから5月17日ごろに
▽中国地方は6月9日ごろから5月16日ごろに
▽近畿と東海は6月9日ごろから5月17日ごろに
▽関東甲信と北陸は6月10日ごろから5月22日ごろと早まっています。

この結果、近畿と北陸では1951年に統計を取り始めてから、最も早い梅雨入りとなりました。

一方、▽東北北部と南部は6月14日ごろから6月23日ごろと遅くなりました。

梅雨明け 関東甲信と北陸では約3週間早まる
また、梅雨明けについても各地で早まり、関東甲信と北陸ではおよそ3週間早まりました。

地域別にみますと
▽沖縄は6月8日ごろから6月7日ごろに
▽奄美は6月19日ごろから6月9日ごろに
▽東海は7月4日ごろから6月27日ごろに
▽関東甲信が7月18日ごろから6月28日ごろに
▽北陸は7月18日ごろから6月29日ごろに
▽東北北部は7月19日ごろから7月18日ごろに
それぞれ見直されました。

この結果、これまで最も早い梅雨明けとなっていた▽沖縄、▽九州北部と山口県、▽四国、▽中国地方、▽近畿に加え、▽奄美と▽関東甲信、それに▽北陸でも統計を取り始めてから最も早い梅雨明けとなりました。

気象庁異常気象情報センターの及川義教所長は「春から夏にかけての季節の進行がかなり早かった」としたうえで、日本の南のフィリピン付近やインド洋付近で早い時期から積乱雲が多く発生し、偏西風の北上が早かったことを理由に挙げています。

また「梅雨前線が日本付近に北上してきた時期は5月と平年と比べてかなり早く、一時的な北上かどうかの判断が難しかった。一方、関東甲信などの梅雨明けの時期は当時、大気不安定による大雨が予想されていて判断を見送った。結果的には梅雨明けまで通して前線の北上は早かった」と説明しています。

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