自営業者などが加入する「国民健康保険」の令和5年度の決算がまとまり、加入者の減少などで保険料収入が10年連続で前の年度を下回り、実質的な収支は1803億円の赤字となりました。
厚生労働省は、都道府県や市区町村が運営し、自営業者などが加入する「国民健康保険」の令和5年度の決算をまとめました。
それによりますと、加入者数は前の年度より104万人減って2309万人となり、過去最少を更新しました。
これに伴い、保険料収入は前の年度より816億円減って2兆3697億円となり、10年連続で前の年度を下回りました。
1人当たりの保険料額は10万997円で、前の年度より1600円余り増え、初めて10万円を超えました。
また、国からの支出金は前の年度より1267億円減って3兆2383億円となっています。
一方、保険給付費は加入者の減少で前の年度より929億円減り、8兆5315億円となりました。
この結果、全体の実質的な収支は1803億円の赤字となりました。
実質的な収支が赤字となるのは3年連続です。
「国民健康保険」は加入者の4割以上を65歳から74歳までの高齢者が占め、1人当たりの医療費が高い一方、保険料収入に影響する加入者の平均所得が低く、財政状況が厳しくなっています。
厚生労働省は「医療費の適正化などを進め、持続可能な財政状況にしていきたい」としています。