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自民党総裁選挙は、告示まであと4日です。
18日は、林官房長官が立候補することを正式に表明しました。
また、高市前経済安全保障担当大臣が立候補する意向を表明しました。

《立候補を正式表明》

林官房長官「経験フルに生かしきって日本のために働きたい」

林官房長官は18日午後、国会内で記者会見しました。

この中で林氏は「岸田政権の後半からずっと官房長官として支えてきたが、この流れを受け継ぎながら、さらに新しいものを付け加えていければと思っている。ことしで私は国会議員になって30年になる。得られた経験をフルに生かしきって、日本のために働きたい」と述べました。

その上で「誰もが夢と希望と誇りを持てる日本の未来を創造する」として、「林プラン」と名付けた政策を発表しました。

政策では1%程度の実質賃金上昇の定着や、第2次ベビーブーム世代が後期高齢者になる2040年代に向け、持続可能な社会保障や強じんな経済を構築するための工程表の作成と推進、それに2度の国政選挙の敗北を受けた党改革に向けて「ゼロからの再建」を打ち出しました。

物価高対策では、賃上げの定着に加え、税と社会保険料を合わせた負担を考慮しながら、主に低・中所得世帯に支援を行う「日本版ユニバーサル・クレジット」の創設を掲げ、自民党が参議院選挙の公約に盛り込んだ現金給付については「臨機応変に対応していく」として、見直しを示唆しました。

林氏は記者会見のあと、国会内で旧岸田派を中心とするおよそ20人の議員と会合を開きました。

会合では、田村元厚生労働大臣が選挙対策本部長に就任することが決まり、支持の拡大に向けた取り組みを強化することを確認しました。

【ノーカット動画】林氏の記者会見の詳細はこちらの記事で

林官房長官 国民民主党の榛葉幹事長らと会談

林氏は18日午前、国民民主党の榛葉幹事長らと国会内で会談し、大雨や竜巻などの災害への支援の拡充を求める要望書を受け取りました。

このあと榛葉氏は記者団に対し「林氏は『重く受け止める』ということだった。自民党の総裁選挙があるといっても、行政の停滞は許されない。現職の官房長官であり、しっかり対応していただけると信じている」と述べました。

その上で「総裁選挙や政局についての話もあったが、ここでの発言は避けたい。林氏は頭脳明せきで、頭のよさはずば抜けている。力強さと能力のある方だと思っている」と述べました。

《立候補の意向を表明》

高市前経済安保相が立候補の意向を表明

高市前経済安全保障担当大臣は18日午後、国会内で記者団に対し「今、必要なのは国民の皆さまの暮らしや未来への不安を夢や希望に変える政治だ。日本が直面する危機を克服するための強い政治や、国民に方向性を指し示す政治、安定した政治のため命懸けで頑張っていく」と述べ、総裁選挙に立候補する意向を表明しました。

そして、「多くの国民から『今、自民党が何をやりたい政党なのかよく分からない』とか、『自民党の政策から夢や希望を感じない』という厳しい声も参議院選挙の全国遊説でうかがった。総裁選挙の討論は自民党が何を目指すのか訴えることができるすばらしい機会だ。精いっぱい、ベストだと思う政策を訴えていく」と述べました。

高市氏は19日、改めて記者会見し、具体的な政策などを説明することにしています。

自民総裁選 高市前経済安保相が立候補の意向を表明

高市氏は、みずからに近い議員と記者会見で説明する政策について意見を交わしました。

高市氏は物価高対策に関連し、所得に応じて給付や所得税の控除を行う「給付付き税額控除」の制度設計に着手することや、ガソリン税の暫定税率の廃止などを打ち出す方針です。

また、麻生最高顧問の議員会館の事務所を訪れ、19日に立候補を正式に表明することを伝えました。

小林元経済安保相 地元の千葉県議に支持呼びかけ

立候補を正式に表明している小林元経済安全保障担当大臣は18日、党員票の支持拡大につなげようと地元の千葉県議会を訪れ、自民党会派に所属する県議会議員およそ40人に支持を呼びかけました。

このあと小林氏は記者団に対し「総裁選挙にかける思いを伝え議会をあげて応援するという力強いエールをいただいた。1票でも多く党員票を積み重ねていきたい」と述べました。

茂木前幹事長 陣営の態勢固める

立候補を正式に表明している茂木前幹事長の陣営は18日午後、旧茂木派の議員ら20人あまりが国会内で会合を開き、選挙対策本部長に梶山元経済産業大臣が就任するなど陣営の態勢を固めました。

茂木氏は「一緒に研さんを積んできたみなさんは私にとって宝であり行動の原動力だ。今の日本や自民党に対する危機感を共有し、力をあわせて総裁選挙に臨みたい。再生の道筋づくりをしっかりと進め難局を乗り切りたい」と述べました。

小泉農相 麻生最高顧問と面会し支援求める

小泉農林水産大臣は18日午後、党内で唯一の派閥を率いる麻生最高顧問と国会内で面会し「火中のくりを拾う覚悟だ」と述べ、自民党総裁選挙に立候補する意向を伝えるとともにみずからへの支援を求めました。

このあと小泉氏は、河野前デジタル大臣や井上元万博担当大臣、鈴木法務大臣ら去年の総裁選挙で河野氏を支援した麻生派の議員とも面会し、支援を要請しました。

また、小泉氏は岸田前総理大臣や菅副総裁とも面会し、立候補の意向を伝えました。

《各党の動き》

自民・公明と立民 あす党首会談へ

立憲民主党は、自民・公明両党との3党による党首会談を19日正午から国会内で行うと発表しました。所得に応じて給付や所得税の控除を行う「給付付き税額控除」などをめぐって意見が交わされる見通しです。

公明党の斉藤代表は党の中央幹事会で「『給付付き税額控除』について協議する場を設けるため、あす、自民党、立憲民主党、公明党の3党党首会談を行うことになった。『給付付き税額控除』を導入する場合は、金融や不動産などの資産をいかに正確に把握するかが非常に大切で、インフラをどのように整備していくかまず議論されるべきだ。その上で、物価高対策としての給付や、企業・団体献金の扱いを一歩前進させる規制強化の議論も提案したい」と述べました。

自民党総裁選挙をめぐる、野党幹部の発言です。

立民 野田代表 “速やかに臨時国会開き経済対策を”

立憲民主党の野田代表は日本商工会議所の総会であいさつし「アメリカの関税措置により日本経済にマイナスの影響が出てくることは間違いない。品目別に影響を分析した上で必要な経済対策を講じるため補正予算案の編成を急がなければいけない。速やかに臨時国会を開き経済対策を一日も早く講じるよう強く要求していきたい」と述べました。

維新 藤田共同代表 “将来見据えて日本のあるべき姿を”

日本維新の会の藤田共同代表は日本商工会議所の総会であいさつし「衆参ともに自公政権が過半数を割る中、わが党が連立するのか、はたまた国民民主党なのかと聞かれるが、こうしたときは原点に返り、将来を見据えて日本のあるべき姿を構想し思い悩むことが必要だ。政治状況が不安定と言われる中、たまりにたまった宿題を片づけ新たな時代に向かう扉を開くのが役目だと心得て仕事にまい進したい」と述べました。

国民 玉木代表 “年収の壁 引き上げを”

国民民主党の玉木代表は日本商工会議所の総会であいさつし「誰が総裁になってもやることが1つある。日本の成長の足かせになっている人手不足の問題だ。最低賃金も時給も上がる中『年収103万円の壁』をさらに引き上げないと人手不足は解消せず、ケチケチせずに178万円まで上げたらいいと申し上げている。新総裁には現実的なことを早く実現するよう求めたいし協力してもらえればわれわれもしっかり協力したい」と述べました。

れいわ 高井幹事長 “誰が総裁になっても一緒”

れいわ新選組の高井幹事長は記者会見で「結局、候補者は前回と同じメンバーで、議論が低調な気がする。どの候補者も同じような政策で、むしろどの野党と組むかという目先のびほう策を語っていて、『解党的出直し』というのはことばだけだ。正直、誰が総裁になっても一緒だという印象だ」と述べました。

共産 田村委員長 “政策論議は期待できず”

共産党の田村委員長は記者会見で「衆議院に続いて参議院でも自民党政治に『ノー』の審判が示されたが、そこに真正面から応える政策論議は期待するべくもなく不可能だ。いま立候補している方々の主張などを見てもそれは明らかで、自民党と闘う野党が、自民党政治に替わる新しい政治とは何なのかを本気で議論し、国民に示すことが求められている」と述べました。

みらい 安野党首 “再分配や日本の成長 骨太の議論を”

「チームみらい」の安野党首は記者会見で「自民党の総裁選挙では、われわれが公約に掲げていた再分配や日本の成長、いかにしてパイを大きくするかなどについて骨太の議論を望んでいる。また、どの技術領域でどう勝ち筋を見いだすのか、そこに対してどう政府が投資していくべきか議論されるといいと思う」と述べました。

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