ことし1月、福島県郡山市で、大学受験で大阪から訪れていた19歳の女性が車にはねられて死亡した事故で、危険運転致死傷などの罪に問われている被告に、検察は懲役16年を求刑しました。一方、被告の弁護士は、過失運転致死傷の罪にとどまると主張しました。
郡山市の池田怜平被告(35)は、ことし1月22日の早朝、酒を飲んで車を運転し、JR郡山駅前の交差点で、大学受験で大阪から訪れていた19歳の予備校生の女性をはねて死亡させ、20代の女性にけがをさせたとして、危険運転致死傷と酒気帯び運転の罪に問われています。
10日、裁判では、亡くなった女性の母親や弟などが意見を述べ、このうち母親は「被告の身勝手な行動で、未来が一瞬で壊されたことへの怒りと悔しさ、深い悲しみは、ことばでは言い尽くせません。私は娘を殺されたと思っています」などとして厳罰を求めました。
裁判は、危険運転致死傷罪が成立するのに必要な要件の1つの、わざと信号無視をしたかどうかが争われ、検察は「運転操作などから、被告は信号に従うつもりがなかった」として、懲役16年を求刑しました。
これに対して、弁護士は「飲酒の影響がどの程度あったか不明だが、きわめて注意力散漫で、赤信号をわざと無視したとは言えない」として、過失運転致死傷の罪にとどまると主張しました。
10日で審理を終え、判決は9月17日に言い渡されます。