中国政府に批判的な論調で知られた香港の新聞「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏が香港国家安全維持法違反などの罪に問われている裁判は、28日結審しました。香港の民主化運動をめぐり中国政府は黎氏を中心人物とみなしていて、厳しい判決が言い渡されるという見方が広がっています。

香港の新聞「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏(77)は、香港の民主化運動を長年、支援してきましたが、「外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた」として、香港国家安全維持法違反などの罪に問われています。

これまでの裁判で検察側は黎氏が記事などを通じて外国に対し中国や香港への制裁を求めたと主張していますが、黎氏は意見を表明しただけで外国勢力との結託にはあたらないなどとして、全面的に争う姿勢を示しています。

2023年から始まった裁判は28日最終弁論が終わり、150日以上にわたる審理を終えました。

判決の日程は明らかにされていませんが、香港の民主化運動をめぐり中国政府は黎氏を中心人物とみなしていて、厳しい判決が言い渡されるという見方が広がっています。

「リンゴ日報」は中国政府に批判的な論調を続けてきましたが、黎氏など幹部の逮捕や当局による資産の凍結を受けて4年前に発行停止に追い込まれています。

今回の裁判をめぐり、欧米各国は言論の自由への弾圧だなどと批判し、黎氏の即時釈放を求めています。