一部の物質が有害とされる有機フッ素化合物「PFAS」について、農林水産省は国産のコメや牛肉など14品目を対象に調査を行った結果、平均的な食生活でこれらの食品を食べても国の食品安全委員会が示した目安を上回ることはなく「健康影響が生じる状況にはない」とする試算を公表しました。

有機フッ素化合物の「PFAS」は一部の物質で有害性が指摘されていて、このうち「PFOS」と「PFOA」の2つについて国の食品安全委員会は、毎日摂取しても問題がないとされる量の目安を示しています。

農林水産省は、28日に開かれた有識者の会議で、昨年度行った国産の農産物などに含まれるPFASの調査結果を公表しました。

それによりますと、調査の対象となったのは、
▽コメやキャベツなどの農産物4品目
▽牛肉や牛乳、それに卵などの畜産物5品目
▽マイワシやアユなどの水産物5品目の
あわせて14品目で、それぞれ30点以上を調査しました。

調査結果をもとにPFASの摂取量を試算したところ、平均的な食生活でこれらの食品を食べても毎日の摂取量の目安を上回ることはなく「健康影響が生じる状況にないと考えられる」としています。

そのうえで一部の食品では、含まれる量にばらつきがあったことから、農林水産省はさらなる実態の把握や原因の調査を進めることにしていて、今年度は新たに23品目を追加して調査を続けるとしています。