「金」の小売価格が29日、初めて1グラム2万円台となり、最高値を更新しました。国連のイランへの制裁が再び発動され、地域の緊張が高まる懸念などから「安全資産」とされる金を買う動きが広がったことが背景にあります。

大手貴金属会社「田中貴金属工業」が、29日発表した金の小売価格は、1グラム当たり2万18円でした。

2万円台となったのは初めてで、最高値を更新しました。

また、大阪取引所では、取り引きの中心となる「来年8月もの」の金の先物価格も、29日午前中、1グラム当たり1万8300円を超え、今月26日につけた取り引き時間中の最高値を更新しました。

市場では、このところの値上がりの背景には、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が利下げを続けるという観測から、金利はつかないものの「安全資産」とされている金に資金が流れ込んでいることがあるという見方が広がっています。

そのうえで、市場関係者は「核開発をめぐる合意に違反したとして国連のイランへの制裁が再び発動されたことで、地域の緊張が高まる懸念などもあり、金を買う動きにつながっている」と話しています。