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横浜市にある「日産スタジアム」の命名権をめぐり、市は、日産自動車と現在の半額以下にあたる年間5000万円で1年間契約を更新し、2027年以降はほかの企業も含め、広く公募すると公表しました。市は、名称が変更される場合、看板の付け替えなどに少なくとも1億5000万円の追加の負担が必要になるとしています。

2026年2月に契約期間が終わる「日産スタジアム」の命名権について、横浜市は、経営再建中の日産自動車と、現在の契約額の半額以下にあたる年間5000万円で、1年間に限って契約を更新し、2027年以降は、ほかの企業も含め広く公募する方針です。

これについて19日、市議会の常任委員会で市の幹部が正式に説明し、2026年5月から具体的な公募の手続きを開始する方針を明らかにしました。

これに対し市議会議員からは、名称を変更する場合に必要となる追加の費用などについて質問が相次ぎ、市側は、スタジアムの名称が記載された看板や道路標識の付け替えなどに、あわせて少なくとも1億5000万円の負担が必要となる見通しを示しました。

「日産スタジアム」の命名権をめぐって、市は、契約の更新時に日産と優先的に交渉を行ってきましたが、次回の更新時はそうした方法を改めることにしていて、20年にわたって親しまれた「日産スタジアム」の名称が変わる可能性があります。

1998年 横浜市が建設 国内最大級の収容能力

「日産スタジアム」として知られている「横浜国際総合競技場」は、1998年に横浜市が建設した競技場で、国内最大級の7万2000人余りの収容能力を誇ります。

サッカーJ1、横浜F・マリノスの本拠地となっているほか、2002年のサッカーワールドカップ日韓大会や、2019年のラグビーワールドカップで決勝が行われるなど、数々の名シーンの舞台となった歴史あるスタジアムです。

2005年に、日産自動車が命名権を取得して以降、これまで20年間にわたって「日産スタジアム」として親しまれてきました。

日産が命名権を取得した当初は、5年間で23億5000万円、年間4億7000万円を支払う契約でしたが、2008年のリーマンショックを受けた世界的な不況を背景に、2010年からは3年間で4億5000万円、年間1億5000万円を支払う内容で契約が更新されました。

その後、契約期間は時期によって異なるものの、年間1億円から1億5000万円で契約が更新されてきましたが、今回これまでで最も低い契約額となる年間5000万円で契約を更新することとなりました。

横浜市によりますと名称が変更された場合、公共施設だけでも800か所以上にのぼる標識の付け替えが必要となるほか、市営バスだけでなく、民間のバス会社も利用する近くのバス停にも「日産スタジアム」という名称が使われていて、これらの移行には相当の費用と時間が必要となるということです。

このため市は、移行に必要な十分な期間を確保したうえで公募を行い、名称の変更に伴う影響を最小限に抑えたい考えです。

地元の人たちは

地元の人たちからは、長年親しんできた、なじみのある名称を残してほしいという声や、施設が残るのであれば問題ないという声など、さまざまな声が聞かれました。

横浜市内に住む20代の男性は「スタジアムで行われた陸上競技の大会で走ったこともあります。みんなが『日産スタジアム』と呼んでいるので、名前が変わると違和感を持つ人が多いと思う」と話していました。

また、スタジアムがある港北区の出身の30代の男性は、「名前が変わることはしかたないと思うが、日産スタジアムという名称でずっとなじんでいるので、公募になるのはちょっとさみしいです」と話していました。

一方、スタジアムに併設されたプールをよく利用するという市内に住む70代の女性は、「アメリカの関税の影響で自動車会社も大変な状況だと思う。別に名前は何でも構わない」と話していました。

さらに市内に住む40代の女性は「名前が変わることは何も思わない。名前が変わっても施設が変わるわけではないので、だんだん慣れるだろうと思う。ただ、ずっと『日産』だったので、新しい名前が定着するかは気になります」と話していました。

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