13日朝、福島県南会津町の介護施設にクマ1頭が窓ガラスを割って侵入しました。利用者と職員にけがはありませんでしたが、クマは逃げていて警察が注意を呼びかけています。
警察によりますと13日朝6時半すぎ、福島県南会津町田部の介護施設で、窓の外に体長およそ1メートルのクマ1頭がいるのを男性職員が見つけました。
クマはその直後に、窓ガラスを割って建物の中に侵入してきたということです。
職員は近くの部屋に逃げ込んだほか、6人の利用者も職員が部屋に鍵をかけるよう呼びかけるなどして、けがはありませんでした。
通報を受けて警察が駆けつけた時にはすでにクマの姿はなく、玄関の扉のガラスを割って外に逃げたとみられるということです。
警察が周辺でクマに注意するよう呼びかけているほか、町が花火を打ち上げたり、施設の裏にある林や近くの川にわなを設置したりするなどの対策を取ったということです。
福島県内ではクマの目撃が過去最多のペースで相次いでいて、県は11日、中通りと会津地方に「ツキノワグマ出没警報」を出していました。
男性職員「危機一髪でした」
クマを見つけた施設の40代の男性職員によりますと、施設のホールで利用者の朝食の準備をしていたところ、窓の外にクマがいるのに気がついたということです。
クマが侵入した直後は割れたガラスが散乱し、毛なども落ちていたということで、施設では午後も地元の業者が割れた窓ガラスをベニヤ板で塞ぐなどの修繕を行っていました。
男性職員は「黒い物体が見えると思ったらクマだったので驚きました。利用者に大声で部屋にとどまるよう呼びかけ、けががなかったので、本当に危機一髪でした」と話していました。