
28日午前、東京のJR上野駅に向かっていた上越新幹線の車内で、乗客のスーツケースに入っていたモバイルバッテリーから煙が出てこの乗客が手にけがをしました。
警視庁によりますと、28日午前8時10分ごろ、東京・台東区のJR上野駅に向かっていた上越新幹線の車内で「モバイルバッテリーから火が出た」などと上野駅から消防に通報がありました。
警視庁によりますと、乗客の埼玉県に住む58歳の会社員の男性が足元に置いていた自分のスーツケースから煙が出ていることに気づいてケースを開けたところ、モバイルバッテリーから煙が出ていたということです。
男性は煙を消そうとした際、右手の指に軽いやけどをしたということです。
警視庁によりますと男性は「きのうの夜、モバイルバッテリーを充電した」と説明していて、煙が出た際には使用していなかったということです。
警視庁と消防が火が出たいきさつを詳しく調べています。
新幹線は、新潟駅を出発して東京駅に向かっていた「とき300号」で、ほかの乗客にけがなどはなかったということです。
リチウム電池使用製品から出火した火災 過去最多
モバイルバッテリーやスマートフォンなどリチウムイオン電池を使った製品から出火した火災が、東京都内でことし6月までの半年間に143件発生し、過去最多だった去年を上回るペースで増えていることが東京消防庁のまとめで分かりました。
熱がこもりやすい夏場を中心に発生する傾向があることから、今後も厳しい残暑が予想される中注意を呼びかけています。
リチウムイオン電池はモバイルバッテリーや、スマートフォン、パソコンなど、充電できるさまざまな製品に使われていますが、可燃性の有機溶剤の電解液が含まれているため高温下に放置したり強い衝撃を与えたりすると発熱や破裂、発火するなどして火災につながるおそれがあり、年々、関係する火災が増加しています。
東京消防庁によりますと、都内でことし6月までの半年間にリチウムイオン電池が使われた製品から出火した火災は143件と、過去最多となった去年の同じ時期より39件増えたいうことです。
製品別では
▽モバイルバッテリーが47件と最も多く
▽次いでスマートフォンが19件
▽電動アシスト付き自転車が11件などでした。
このうち、モバイルバッテリーの火災では、
▽リュックサックの中でスマートフォンに充電していたところ、突然、煙が出たケースや
▽バッテリーを落とした際に火が出たケースなどがあったということです。
また、これまでのデータを分析すると火災は夏場を中心に発生し、例年、6月から9月の期間が全体のおよそ4割を占めているということです。
東京消防庁は、今後も厳しい残暑が予想される中リチウムイオン電池を使った携帯型扇風機などを利用する際は衝撃を与えないよう持ち運びに気をつけるとともに、車のダッシュボードなど高温となる場所に放置しないよう注意を呼びかけています。