新型コロナウイルスの全国の感染状況は、今月10日までの1週間に1つの医療機関当たりの平均の患者数が6.13人と、8週連続で前の週から増加しました。厚生労働省は「例年夏と冬には感染者が多くなる傾向にあり、感染者の増加が続いている。手洗いやせきエチケットエアコンを使用していても部屋の換気を行うなど、基本的な感染対策に引き続き取り組んで欲しい」としています。
厚生労働省によりますと今月10日までの1週間に全国およそ3000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は前の週から1761人増えて2万3126人となりました。
また、1つの医療機関当たりの平均の患者数は6.13人で前の週の1.11倍となり、8週連続で前の週から増加しました。
都道府県別では多い順に▽宮崎県が14.71人▽鹿児島県が13.46人▽佐賀県が11.83人▽熊本県が10.78人▽沖縄県が10.42人などとなっていて、40の都道府県で前の週より増加しています。
今月10日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は1729人で、前の週と比べて227人増加しました。
厚生労働省は全国の流行状況について「例年、夏と冬には感染者が多くなる傾向にあり、感染者の増加が続いている状況だ。手洗いやせきエチケット、エアコンを使用していても部屋を換気するなど、基本的な感染対策に引き続き取り組んでほしい」としています。
川崎 医療機関 発熱訴える人が相次いで訪れる
新型コロナウイルスの患者増加する中、お盆期間中も診療を行っている川崎市の医療機関には、発熱を訴える人が相次いで訪れています。
お盆の期間に休診するクリニックが多い中、川崎市の新百合ヶ丘総合病院では、発熱外来で患者を受け入れています。
病院によりますと、発熱などを訴えて来院した人のうち、新型コロナの陽性者数は、6月は16人、先月は100人でしたが、今月は14日までに70人と、先月を上回るペースで増えているということです。
この日も、市内の高齢者施設に入所している90代の女性が発熱やめまいを訴えて救急搬送され、検査を受けたところ、陽性と判定されました。
女性は肺炎などの症状も出ていて、重症化のおそれがあるため、そのまま入院することになりました。
病院では、先月から高齢者が入院するケースが増えていて、現在、7人が入院しているということです。
新百合ヶ丘総合病院の伊藤敏孝救急センター長は「発熱外来での新型コロナの陽性患者は増えていて、これまで一日に1人か2人だったのが、5、6人くらいになっている。それと合わせて救急車で搬送される高齢者もどんどん増えている。お盆の時期に家族連れで帰省した人たちが発熱して、感染が地方に広がっていくおそれもある」と話していました。
また、熱中症と新型コロナの症状が似ていることから、熱中症の疑いで受診した患者が陽性だと判明するケースも少なくないと指摘し、「高齢者は肺炎を引き起こしたり、持病が悪くなったりして、重症化してしまうこともある。できるだけ感染対策をして生活するのが大事だ」と話していました。
新型コロナ患者数 東京都は8週連続の増加
東京都によりますと、今月10日までの1週間に、医療機関から報告された新型コロナの患者数は、1つの医療機関当たり平均で4.7人でした。
前の週のおよそ1.06倍で、8週連続の増加となりました。
感染者が増えている背景について都の担当者は、夏場はエアコンの使用によって換気が十分にできていないことが感染拡大の一因になっているのではないかとしています。
そのうえで、感染対策として、エアコンの使用中も定期的に換気を行うことや、手洗いの徹底、医療機関や混雑した電車の中など、場面に応じたマスクの着用を呼びかけています。
新型コロナ患者数 1医療機関当たりの平均患者数(都道府県別)
▽宮崎県 14.71人
▽鹿児島県 13.46人
▽佐賀県 11.83人
▽熊本県 10.78人
▽沖縄県 10.42人
▽埼玉県 9.26人
▽千葉県 8.7人
▽茨城県 8.29人
▽大分県 7.84人
▽長崎県 7.67人
▽新潟県 7.43人
▽愛知県 7.14人
▽神奈川県 7.07人
▽高知県 7.0人
▽栃木県 6.96人
▽福岡県 6.83人
▽岐阜県 6.8人
▽静岡県 6.27人
▽山口県 6.19人
▽奈良県 6.17人
▽徳島県 6.13人
▽岩手県 6.05人
▽京都府 5.98人
▽三重県 5.8人
▽和歌山県 5.73人
▽石川県 5.47人
▽宮城県 5.4人
▽秋田県 5.4人
▽山梨県 5.38人
▽福島県 5.27人
▽長野県 5.23人
▽愛媛県 5.03人
▽兵庫県 5.0人
▽岡山県 4.8人
▽東京都 4.7人
▽香川県 4.53人
▽島根県 4.5人
▽青森県 4.29人
▽大阪府 4.16人
▽富山県 4.15人
▽群馬県 4.12人
▽鳥取県 4.03人
▽山形県 3.87人
▽福井県 3.62人
▽広島県 3.6人
▽滋賀県 3.49人
▽北海道 2.52人