
14日、静岡県静岡市で車が横転するなどの被害が出た突風について、静岡地方気象台は16日、竜巻と推定されるという調査結果を発表しました。同じ日に御前崎市で発生した突風も竜巻の可能性が高いということです。

気象台によりますと、静岡県内は、大気が非常に不安定な状態が続いていて、14日の夜、活発な積乱雲が通過した影響で、静岡市駿河区と御前崎市で突風が発生しました。
気象台や静岡市によりますと、このうち、静岡市駿河区では、午後7時半ごろに突風によって軽自動車が横倒しになったり、建物の瓦が落下したりするなどの被害が、これまでに合わせて12件確認されたということです。
気象台は15日、職員を現地に派遣して調査を行い、「移動する渦を見た」という複数の証言などから発生した突風は竜巻と推定されると16日、発表しました。
また、御前崎市などによりますと、その1時間前の午後6時20分すぎには市内の2つの地区で建物の屋根瓦が飛ばされるなどの被害が合わせて7件確認されていて、この突風についても、気象台は竜巻の可能性が高いと判断したということです。
いずれも風速はおよそ40メートルと推定され、突風の強さを判断する基準で6段階のうち下から2番目の強さの「JEF1」にあたるとしています。
御前崎市 佐倉と比木の2地区で被害
静岡地方気象台が竜巻の可能性が高いとした、御前崎市での被害は、市によりますと佐倉と比木の2つの地区であわせて7件確認されました。
このうち、佐倉地区の「さくらこども園」の職員によりますと、14日午後6時20分ごろ、「ドーン」という大きい音がしたため確認したところ、プールに日よけのために設置されていたテントが飛ばされていました。
職員が撮影した写真には、テントが飛ばされ、近くのフェンスも曲がっている様子が写っています。
また、遊具の近くに設置されたテントも飛ばされ、支柱は曲がっていました。
佐倉地区ではこども園からおよそ200メートルほど南にある2階建ての集合住宅でもトタン屋根が飛ばされるなどの被害が出ていました。
集合住宅を管理する60代の男性は「当時建物にいた妻と子から『建物が倒れそう』という連絡があり、急いで戻ると、屋根が飛ばされていました。修理にもお金がかかるのでどうしようかと思っています」と話していました。
集合住宅の近くに住む70代の女性は「風がどんどん強くなり気がついたら屋根が飛んでいって驚きました。ものすごい風の吹き方で怖かったです」と話していました。
一方、隣り合う比木地区でも住宅の瓦が飛ばされるなどの複数の被害が確認されました。
自宅の瓦が浮き上がる被害にあった80代の女性は「おとといの夜は下から上に突き上げるようなすごい音が鳴りました。瓦が浮くほどの突風は初めてです」と話していました。