関東甲信 猛烈な雨から一夜明け 住民が片づけに追われる
関東甲信では10日、埼玉県や東京などを中心に猛烈な雨が降り、記録的短時間大雨情報の発表も相次ぎました。
各地で浸水などの被害が出ていて、一夜明けた11日、住民が片付けや掃除などに追われています。
関東甲信は10日、前線や暖かく湿った空気の影響で大気の状態が非常に不安定になり午後から急激に雨雲が発達して各地で猛烈な雨が降りました。
埼玉県では記録的短時間大雨情報が12回にわたり発表されたほか、東京・杉並区や渋谷区、横浜市などでも猛烈な雨が降ったとみられ、停電が発生したり鉄道が運転を見合わせたりするなど影響が広がりました。
記録的な大雨から一夜明けて、東京・目黒区では自宅が浸水した人たちが片付けに追われ、床上5センチほどまで水につかった70代の女性は朝から濡れたカーペットを拭き取ったり、流された植木鉢を庭に戻したりしていました。
女性は「きのう午後7時ごろ、目の前の遊歩道が川のようになって濁流が家に流れ込み、恐怖を感じました。子どもの頃からこのあたりに住んでいますが、ここまでの被害は初めてです」と話していました。
目黒区によりますと、10日夜、目黒川の水位が上昇したため地下水路になっている支流の蛇崩川に水が流れ込めなくなるなどして内水氾濫が発生し、床上や床下がつかる被害が少なくとも9戸で確認され、さらに10件ほど被害の報告が寄せられているということです。
また、蛇崩川の遊歩道ではレンガの舗装が1メートルほどめくれ、担当者がレンガ撤去する作業をしていました。
世田谷区の住宅でも浸水被害

世田谷区によりますと10日夜の記録的な大雨で24戸で床上や床下の浸水被害が報告され、目黒川の支流の蛇崩川の流域でも住宅が浸水する被害がありました。
10日午後7時頃に撮影された映像では、住宅街の道路が川のようになっていて、車のヘッドライトの高さまで水没しているのがわかります。
近くに住む50代の女性は「雨の音がすごくて犬がずっとほえていました。同じマンションの人から送られてきた動画を見てとても驚きました。私の車も50センチほど水没してエンジンルームにまで水が入りました。このような被害が出てびっくりのひと言です」と話していました。
大雨でマンホールのふたが飛ぶ 「エアーハンマー現象か」

10日夜の猛烈な雨で横浜市港北区ではマンホールのふたが飛んで水が噴き出し、周辺の道路が割れました。
横浜市は大量の雨水が流れ込んだことで、下水道管内の空気圧が高まる「エアーハンマー現象」が起きたとみて対策を進めることにしています。
10日午後7時半すぎ、横浜市港北区の交差点でマンホールのふたが飛んで猛烈な勢いで水が噴き出し、周辺の道路のアスファルト部分が割れました。
横浜市などによりますと、この際、飛び散ったアスファルトの破片が近くの車3台に当たり、このうちの1台に乗っていた39歳の母親と9歳の男の子が軽いけがをしたということです。
気象庁によりますと、港北区付近では、10日午後7時40分までの1時間にレーダーによる解析でおよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、横浜市は、短時間のうちに大量の雨水が流れ込んだことで、下水道管内の空気が圧縮されて圧力が高まる「エアーハンマー現象」が起きたとみています。
現場の道路では、マンホールを埋めるなどして復旧工事が行われ、11日未明には車の通行はできるようになりました。
横浜市は今後、マンホールの縦穴部分に空気を逃すための配管を新たに設置するなど対策を進めることにしています。