角川元会長 長期間勾留訴訟「大川原化工機」遺族の陳述書提出

出版大手、KADOKAWAの角川歴彦元会長が、長期間勾留されたことをめぐって国を訴えている民事裁判で、元会長側は、「大川原化工機」をめぐるえん罪事件で勾留されている間にがんが見つかり、亡くなった男性の遺族の陳述書を提出しました。遺族は保釈の運用を改めるべきだと主張しています。

KADOKAWAの元会長の角川歴彦被告(81)は、東京オリンピック・パラリンピックをめぐる汚職事件で無罪を主張し、およそ7か月間勾留されたことについて、無罪主張を続けたことによる「人質司法」であり、十分な医療を受けられずに体調が悪化したとして、国に賠償を求める民事裁判を起こし、国は「対応は合理的だった」として争っています。

14日の裁判では、「大川原化工機」をめぐるえん罪事件で勾留されている間にがんが見つかり、無実が明らかになる前に亡くなった元顧問、相嶋静夫さんの長男の陳述書を元会長側が提出しました。

この中で長男は、保釈が繰り返し認められなかったことについて「父はがんを患っても早期の治療ができなかった。逃亡を許してはならない気持ちはわかるが、それ以上に無実の人の身柄拘束があってはならない」としています。

そのうえで、保釈の運用などを検証し、対応を改めるべきだと主張しています。