再審=やり直しの裁判で、無罪が確定した袴田巌さんの弁護団が、無罪判決が言い渡された日付と同じことし9月26日に、国と県に対して損害賠償を求める訴えを起こす方針を明らかにしました。

59年前、今の静岡市清水区で一家4人が殺害された事件で、一度、死刑が確定していた袴田巌さん(89)は、去年静岡地方裁判所の再審で無罪が確定しました。

袴田さんの弁護団は23日の会見で、検察や警察などの責任を追及するため、袴田さんが再審で無罪を言い渡された日付と同じことし9月26日に、国と県に対して損害賠償を求める訴えを起こす方針を明らかにしました。

長期間、死刑の恐怖にさらされた袴田さんの精神的苦痛を損害としてどのように算定するかなどの検討に時間がかかっているため、当初予定していた提訴の時期を1か月余り遅らせることにしたということです。

一方、最高検察庁の畝本直美検事総長が控訴を断念した際に出した「判決は多くの問題を含む到底承服できないもの」などとした談話について、弁護団は「袴田さんを犯人視するもので名誉毀損にあたる」として、袴田さんが59年前に逮捕された8月18日に合わせて国を提訴する方針を確認したということです。