
米国務長官 国連の特別報告者を「反ユダヤ主義」などと非難
アメリカのルビオ国務長官はパレスチナの人権状況を担当する国連の特別報告者を「反ユダヤ主義」などと非難し、制裁を科すと発表しました。
国連は「受け入れられない」として撤回を求めています。
国連の特別報告者でパレスチナの人権問題を担当するイタリア人のアルバネーゼ氏は、イスラエルに対する厳しい批判で知られています。

ルビオ国務長官は9日に発表した声明で、アルバネーゼ氏について「反ユダヤ主義をまき散らし、テロ行為への支持を表明してきた」などと非難しました。
また、アルバネーゼ氏が今月発表した報告書で多くのアメリカ企業を名指ししてイスラエルによる占領地での入植活動などに関与していると指摘したことについても「政治的、経済的な敵対行為で容認できない」と強く反発しています。
制裁はことし2月にトランプ大統領が出した大統領令に基づくもので、資産が凍結され入国が制限される可能性があります。
これに対し、国連のデュジャリック報道官は10日、「特別報告者に対する一方的な制裁は受け入れられない」と述べ、制裁をすみやかに撤回するよう求めています。
特別報告者は、国連の人権理事会によって任命された独立した専門家で、その報告や勧告は、あくまで専門家としての意見で国連の公式見解とは区別されています。