
渇水で農作物への影響懸念 小泉農相 “状況応じ迅速に対策”
渇水によって農作物への影響が懸念されていることを受けて、小泉農林水産大臣は、コメの産地である新潟県を視察し、生育に影響が出ないよう状況に応じて迅速に対策を検討する考えを示しました。

北陸や東北などの一部の地域では、雨が少ないことによる渇水で農作物の生育への影響が懸念されています。
小泉農林水産大臣は、状況を確認するため、3日、コメの産地である新潟県を訪れ、津南町にある大谷内ダムを視察しました。
このダムは、3日の時点で貯水率が6%まで低下していて、先月31日からは水の供給が停止されています。
ダムの水を活用している地元のコメの生産者が「これからが生育において重要な時期で影響が心配だ」と話すと、小泉大臣は現在、農林水産省で各地の要望に応じて給水車を派遣するなど、対応にあたっていることを説明していました。
視察のあと小泉大臣は記者団に対し、「コメの収穫量の動向は国民の関心となっている。現場の状況を把握したうえで、ニーズのある対策をスピード感をもって実現していきたい」と述べ、今後もコメの生育に影響が出ないよう、状況に応じて迅速に対策を検討する考えを示しました。
山形 高温と少雨で一部 稲が枯れる被害も
山形県内では、気温が高い日や雨の少ない状態が続く中、一部地域で稲が枯れる被害がみられ、今後の収穫への影響に懸念が出ています。
山形地方気象台などによりますと山形県内では、ことし7月から記録的な暑さや雨の少ない状態が続いています。
この影響で、県内各地の農協によりますと、農業用水に川の水を利用している地域では、十分な量を確保できないケースがあり、稲が黄色く変色して枯れたり、穂が正常に育たなかったりする被害がみられ、収穫量の減少に懸念が出ているということです。
このうち、戸沢村角川地区で70年近くコメ農家をしている安食喜一郎さんは、およそ30アールの田んぼに必要な水を確保できない状況が続いています。
ふだんは、田んぼ近くの川から水を引き上げて周辺の田んぼに水が供給されているということですが、川の水位が大幅に下がっているため、2週間ほど前から水が供給されない状態になっていました。
このため、ポンプを使って自身で水を引き上げる対応をとっていますが、十分な量が確保できていないということです。
田んぼの土が乾燥してひびが入り、一部の稲が根元から枯れるなどの被害が出ているほか水不足の稲は、穂が十分に育たない可能性があり、コメの収穫量が減少しかねないと懸念しています。
安食さんは「長年、農業をやってきたが、ここまで水が確保できないのは初めてだ。このままだと収穫量が減って生活が苦しくなる。稲が助かるように早く雨が降ってほしい」と話していました。