
6日未明、静岡県浜松市のガールズバーで、店長と店員の女性2人が刃物で刺されて死亡した事件で、逮捕された41歳の容疑者は、「ククリナイフ」と呼ばれる特殊な刃物2本を持って店に入った直後にいきなり店長の女性を襲っていたことが警察への取材でわかりました。女性2人の体には複数の傷があり、警察は詳しい経緯を調べています。
6日午前1時ごろ、浜松市中央区のガールズバーで、店長の竹内朋香さん(27)と、店員の伊藤凜さん(26)が刃物で刺されて死亡し、警察は、静岡県袋井市の無職、山下市郎容疑者(41)を殺人未遂の疑いでその場で逮捕しました。
警察によりますと、容疑者は「ククリナイフ」と呼ばれる刃渡り20センチほどの特殊な刃物2本を両手に持った状態で店に入り、入店直後に店長の竹内さんの背中をいきなり刺したということです。
その後、店の外にいた店員の伊藤さんも続けて刺したということで、女性2人の体には背中などに複数の傷があったということです。
警察によりますと、容疑者は調べに対し「ナイフで刺したことは間違いない」と供述し、容疑を認めているということです。
容疑者はこの店の常連客で、伊藤さんとともに店に来たということです。
警察は強い殺意があったとみて、容疑を殺人に切り替え詳しい経緯を調べています。
伊藤さんの父親「実感わかない」
亡くなった店員の伊藤凜さんの父親が報道各社の取材に応じ、「娘の顔をまだ見ていないので正直、実感がわきません。どうしてこんなことになったのか、明らかにしてほしい」と語りました。
父親によりますと、伊藤さんがガールズバーで働き始めたのは1年ほど前からで、仕事を楽しんでいた様子だったということでしたが、「去年の秋か冬ごろに、自分に好意を寄せている40代の常連客がいると聞いていました。娘には『うまくあしらいなさい』と伝えていました」と話しました。
警察から連絡を受けたのは、6日午前3時ごろだったということで、「娘が刺されたので病院に至急向かってほしいと連絡がありました。娘の顔をまだ見ていないので、正直、実感がわきません。娘は明るく素直で社交的な子で、京都や大阪、神戸など、2人でよく国内旅行にも行きました。旅先では、今どきの子らしく観光スポットや食事の場所を調べてくれたりしました」と話しました。
その上で父親は「人に殺意を抱かせるようなことを娘がするとは思えません。何がきっかけでこうなったのか知りたいです」と訴えました。