イチローさん「夢のよう」米野球殿堂入り表彰式典でスピーチ 2025年7月28日 10時42分 #大リーグ アメリカ野球殿堂入りの表彰式典がニューヨーク州クーパーズタウンで行われ、日本選手で初めて殿堂入りしたイチローさんが英語でスピーチし「この場に立っていることはすばらしい夢のようです」と喜びと感謝のことばを述べました。 大リーグで大きな功績を残した選手や関係者を顕彰するアメリカ野球殿堂にマリナーズでシーズン262安打の大リーグ記録を打ち立てるなど19年にわたって活躍したイチローさんが、ことし日本選手として初めて選出されました。 27日には野球発祥の地とされるクーパーズタウンで表彰式典が行われ、イチローさんをはじめことし殿堂入りを果たした通算251勝のCC・サバシアさん、通算422セーブをあげたビリー・ワグナーさんが出席しました。 式典では受賞者それぞれにスピーチの時間が設けられ、最後にステージに立ったイチローさんは、まず殿堂入りを記念した指輪を受け取りました。 そして、「緊張する」と話していた英語でのスピーチに臨み、「プロ野球に入ったとき、大リーグに来たときに加えて、いま再びルーキーになったのだと感じています。この偉大なチームに温かく迎えていただきありがとうございます。もう51歳なので、厳しい扱いは控えてください」とジョークも交えて殿堂入りを喜びました。 そのうえで大リーグの日本選手先駆けともいえる存在の野茂英雄さんにふれて、「彼の勇気ある挑戦で私の視野が広がり、大リーグへの挑戦という道が開かれた」と話し、会場に訪れていた野茂さんに向け「野茂さん、ありがとうございました」と日本語で感謝を伝えました。 また、ここまでの自身の道のりを振り返り、「野球はただ打って投げるだけではなく、なにが大切かを教えてくれて私の人生や世界を形づくってくれた」と野球への思いを話しました。 そして、妻の弓子さんなどイチローさんの野球人生を支えた人たちへ感謝を伝えたうえで、「殿堂入りは私の目標ではありませんでした。きょうこの場に立っていることはすばらしい夢のようです」とスピーチを締めくくると、会場に集まったファンは立ち上がり「イチロー」コールとともに大きな拍手を送っていました。 「うまくは話せないが アメリカのことばで」 イチローさんは表彰式展のあと記者会見を行い、英語で行ったスピーチについて「一度練習すると20分近くかかるので何回もはできず、その難しさはあった。伝わっているのかなという心配が強かった」と振り返りました。 日本語ではなく英語でのスピーチを選んだ理由については「もちろんうまくは話せないが、やっぱりアメリカのことばである英語で話すことがいちばん気持ちが伝わると思った。僕にとってものすごい高いハードルだったが、そこに迷いはなかった」と説明しました。 イチローさんのスピーチは随所にジョークが盛り込まれ、会場は何度も笑いに包まれました。 アメリカメディアから「ふだんからユーモアを大事にしているのか」と聞かれると、「英語のジョークと日本語のジョークは違うが、たとえば友達と食事をする時は基本的に楽しくいたい人間だ。殿堂入りはゴールではなかったが、笑わせることはけっこうゴールにしている」と自身のスピーチの内容を交えて笑顔で答えていました。 そして、スピーチで感謝を述べた野茂英雄さんについて「野茂さんが大リーグでプレーしてくれていなかったら日本と大リーグの距離は永遠に縮まらなかった。自分がプロ野球ですごく悩み、葛藤があったときに、野茂さんの活躍が目に入ってきて、すごく感動した。実際にプロ野球でも対戦していたので、それが自分のモチベーションにつながった」と話し、改めて野茂さんの存在の大きさに触れていました。 王貞治さん…