ヒット曲「出発の歌」で知られ、ミュージカル「ラ・マンチャの男」に長年、出演した歌手で俳優の上條恒彦さんが7月22日に老衰のため亡くなりました。85歳でした。
上條さんは長野県出身で、高校を卒業後に上京し、1962年に歌手としての活動を始めました。
低音を効かせた表現力豊かな歌声が特徴で、「出発の歌」が話題となり、1972年の紅白歌合戦に出場しました。
また、民放の時代劇のドラマ「木枯し紋次郎」の主題歌「だれかが風の中で」も大ヒットしました。
上條さんは俳優としてドラマや映画で活躍したほか、名作ミュージカルにも長年にわたって出演しました。
このうち「ラ・マンチャの男」では1977年からおととしの最終公演まで牢名主と宿屋の主人の役で948回出演し、主演の松本白鸚さんを温かみのある演技で支え、2000年に菊田一夫演劇賞を受賞しました。
事務所によりますと上條さんは7月22日、老衰のため、長野県の自宅近くの病院で家族に見守られながら、亡くなったということです。
85歳でした。
松本白鸚さん「長い間 一緒に戦ってきました さみしい」
上條さんが亡くなったことについてミュージカル「ラ・マンチャの男」で、長年、共演した松本白鸚さんは、「残念です。長い間、ラ・マンチャの牢名主の上條さんとは一緒に戦ってきました。舞台を離れても、いつも優しく励ましてくれました。さみしいです」というコメントを出しました。