福島第一原発の処理水放出 基準下回るも 長期の安全管理が課題 2025年8月24日 19時29分 福島第一原発 処理水 福島第一原子力発電所の廃炉作業で課題となっているタンクに保管された処理水の海への放出が始まって24日で2年となり、これまでのところ、原発周辺の海水から検出されたトリチウムの値は基準を大きく下回っています。 原発の敷地内では空になったタンクの解体も行われていますが、東京電力は処理水の海への放出は2051年まで続くとしていて、放出の監視や原発周辺の海水のモニタリングなど、長期間にわたり安全管理を続けていくことが求められます。 海や水産物など環境への影響は?【Q&A】 福島第一原発では、汚染水を処理したあとに残るトリチウムなどの放射性物質を含む処理水が敷地内の1000基余りのタンクで保管されていて、東京電力は政府の方針に従い、2023年8月24日から基準を下回る濃度に薄めた上で海に放出しています。 この2年間で13回の放出が完了し、累計の放出量は10万1000トン余りとなっていて、現在は25日までの計画で14回目の放出が行われています。 東京電力や国などは、原発周辺で海水を採取しトリチウムの濃度を分析していて、これまでに検出された最大値は1リットルあたり61ベクレルと、東京電力が自主的に放出の停止を判断する基準の700ベクレルや、WHO=世界保健機関が定める飲料水の基準の1万ベクレルを大きく下回っています。 こうした処理水の放出に伴い、福島第一原発では、敷地南側の大半を占め、廃炉作業に支障をきたすおそれがあると指摘されているタンクの解体作業が進められています。 東京電力によりますと、ことし2月からの約半年で、直径約9メートル、高さ約12メートルの円筒型のタンク11基の解体が完了しました。 原発の敷地内には今月7日時点で約127万トンの処理水がタンクで保管されていますが、東京電力は2030年度ごろまでに約40万トンを放出してタンクの解体を進め、空いたスペースに「核燃料デブリ」の取り出しに必要な施設などを整備する計画です。 ただ、「核燃料デブリ」の冷却や建屋に地下水などが流れ込む影響で、今も1日あたり70トンのペースで汚染水が発生し、それに伴い、新たに処理水も生じることなどから、東京電力は処理水の総量を減らすには時間がかかり、処理水の海への放出は2051年まで続くとしていて、放出の監視や原発周辺の海水のモニタリングなど、長期間にわたり安全管理を続けていくことが求められます。 処理水放出 背景と手順は 政府は2021年、福島第一原子力発電所の敷地が処理水をためるためのタンクでひっ迫し、廃炉作業を進める上で処分は避けて通れないとして、処理水を基準を下回る濃度まで薄めた上で、海に放出する方針を決めました。…