日銀は、ことし6月の金融政策決定会合の議事要旨を公表しました。この会合ではかつての大規模な金融緩和以降、続けている国債の買い入れについてどのようにペースを緩めるかが議論になりましたが、議事要旨からは直近でみられた金利の急上昇に日銀が警戒を強めている様子がうかがえます。
ことし6月の日銀の金融政策決定会合ではかつての大規模金融緩和以降、続いている市場からの国債の買い入れが議論となり、買い入れを減らすペースを来年4月以降は緩めることを決めました。
5日公表されたこの会合の議事要旨によりますと、国債が取り引きされる債券市場について多くの委員から「国債市場の安定に配慮した形で市場機能の改善を進めていくべきだ」という認識が示され、執行部の方針を支持しました。
一方、ことし4月から5月にかけて、債券市場では国債が売られて金利が急上昇する場面がありましたが、会合では「今後の減額ペースが速すぎると市場の安定に不測の影響を及ぼす可能性がある」とか「急ぎすぎてもかえって調整に時間を要することになりかねない」といった意見が相次いでいて、議事要旨からは直近でみられた金利の急上昇に日銀が警戒を強めている様子がうかがえます。
日銀は今も残高ベースで発行された国債の半分近くを保有していて、金融市場が不安定にならないようどう正常化していくかが課題となっています。