
日産自動車は、経営の立て直しに向け、神奈川県の「追浜工場」など、国内2つの工場の生産を終了すると発表しました。グループ全体で2万人の人員削減の計画を打ち出す中で、今後どこまで雇用が維持されるかが焦点となります。

日産自動車のイヴァン・エスピノーサ社長は、15日に記者会見を開き、神奈川県横須賀市にある「追浜工場」での車両生産を2027年度末に終了し、福岡県の工場に移管・統合するとともに、平塚市にある子会社の「日産車体」の工場に委託している車両の生産も来年度に終了すると発表しました。
日産は、販売の不振に苦しむ中、国内での生産体制を見直してコストを削減することで、経営の再建につなげたいとしています。
一方、今回の決定に対して、会社の労働組合は「生活の観点で将来不安が増すことは明らかだ」として、協議を継続するよう会社に申し入れました。

日産は、追浜工場の従業員について、ほかの工場や事業への異動で雇用を守る方針を示し、日産車体も「従業員の雇用を最優先にあらゆる可能性を検討する」とコメントしています。
グループ全体で2万人の人員を削減する計画を打ち出す中で、今後どこまで雇用が維持されるかが焦点となります。
一方、生産終了後の追浜工場について、イヴァン・エスピノーサ社長は「いろいろなシナリオを検討していて、第三者が資産を買いたいのであれば、検討の余地がある」と述べていて、台湾の「ホンハイ精密工業」と共同利用する案も検討されていた追浜工場の活用方法も課題となります。