
1953年に発生し、日本で初めて死後の再審=裁判のやり直しが認められた、いわゆる「徳島ラジオ商事件」で、殺人の罪で服役した女性に無罪が言い渡されてから9日で40年です。当時、支援にあたった弁護士は再審制度の見直しの議論について「40年がたった今も制度が変わっていないのは残念だが、えん罪に苦しんだ人のためにも早く改正を実現してほしい」と訴えました。
1953年に徳島市のラジオ販売店で経営者が殺害された「徳島ラジオ商事件」では、殺人の罪で服役した被害者の内縁の妻の冨士茂子さんが、無実を訴えて裁判のやり直しを求める中、69歳で亡くなりました。
遺族が引き継いだ6回目の再審請求で、日本で初めて死後の再審が認められ、最初の申し立てから26年後の1985年の7月9日に無罪が言い渡されました。

無罪判決から9日で40年になるのにあわせて、当時、弁護団の副団長を務めた林伸豪弁護士がNHKの取材に応じました。
林弁護士は、現在の再審制度について裁判のやり直しが決まるまで数十年かかるなど、審理の長期化が課題だとしたうえで「40年がたった今も、制度が変わっていないのは本当に残念だが、法制審議会の部会で見直しの議論がなされているのは、今までにない大きな動きだ。えん罪に苦しんだ人のためにも早く結論を出し、改正を実現してほしい」と訴えました。