ミツバチの数が減少 巣の高温が女王バチの産卵に影響 2025年9月10日 17時27分 農業 猛暑が長引く影響で、ハチミツの生産や農産物の受粉作業に欠かせないミツバチに影響が出ています。養蜂場では、巣が高温になると女王バチが産卵しなくなるため、ことしは卵の数が少なくミツバチの数が減っているといいます。 福岡県朝倉市に本社がある養蜂場では毎年およそ100トンのハチミツを生産し、北海道など全国各地で合わせておよそ6000万匹のセイヨウミツバチを飼育しています。 この時期、来年のハチミツを採取するためのミツバチやイチゴなどの農作物の受粉作業に使うために、農家に貸し出す交配用ミツバチを育てています。 ミツバチの巣の中は34度程度に保たれていますが、それより高くなると、働きバチの動きが鈍くなるうえ、女王バチは産卵しなくなり、巣の卵が少なくなるといいます。 セイヨウミツバチの女王バチは、通常一日2000個から3000個の卵を産むとされていますが、巣箱の中を見せてもらうと、通常、一面に卵が産み付けられる板の中心部分しか卵が付いていないものもありました。 朝倉市にある養蜂場では、ことしは梅雨が短く、早い時期から気温が上がったことや、猛暑日が続いたことが女王バチの産卵に影響していると考えています。 この養蜂場では少しでも気温の低いところで飼育しようと、山間部に巣箱を運び日ざしを避けて木の陰で飼育しましたが、およそ75万匹の飼育予定より2割程度少ない見込みだということです。 養蜂場の藤井敬三会長は「ぱっと見ただけでもことしは産卵の数が少ない。本来ならこの時期でも、もう少し産卵していてほしい。また、普通なら秋にかけて産卵を盛り返してくることも考えられるが、ことしは9月に入ってもまだまだ暑さが続いているので厳しい。ミツバチが少ないと農作物の生産にも大きな影響が出てくるおそれがある。自然環境の変化はどうしようもないところもあるが、この環境でもハチが育つ手だてを考えていきたい」と話していました。 影響はミツバチを仕入れている農家にも 猛暑の影響は養蜂場からミツバチを仕入れている農家にも及びます。 イチゴやメロンなど多くの農作物の受粉作業に利用されますが、猛暑が長引くとミツバチの活動が低下し、作物の育成に影響が出るおそれがあるとして暑さ対策を進めています。 農林水産省によりますと国内では、イチゴやメロン、スイカ、きゅうりなどの受粉作業にミツバチが使われ、特にイチゴは8割以上の農地で使われているということです。 また、農業・食品産業技術総合研究機構では、ミツバチの受粉による経済効果はおよそ1800億円に上ると推計しています。 静岡県掛川市の赤堀和博さんの農園では合わせて1.8ヘクタールの広さの農業用ハウスのイチゴの生産にミツバチは欠かせません。 ミツバチによる受粉がうまくいくとイチゴの形がよく、栄養価も高くなる一方、受粉が十分に行われないと形がいびつになったり、色づきが悪くなったりするためミツバチの活動が出荷などに大きく影響するということです。…