去年、埼玉県所沢市の住宅に「闇バイト」の4人組が押し入り現金が奪われた強盗傷害事件で、実行役の28歳の被告の初公判が開かれ、被告は起訴された内容を認めました。

和歌山県の無職、和佐裕夢被告(28)は、去年10月、「闇バイト」で集められたほかの3人とともに所沢市の住宅に押し入り、80代の夫婦を縛って夫を刃物で切りつけたうえ、現金やクレジットカードを奪ったとして、強盗傷害などの罪に問われています。

11日に、さいたま地方裁判所で開かれた裁判員裁判の初公判で、被告は「間違いありません」と述べ、起訴された内容を認めました。

検察は冒頭陳述で「被告はSNSで闇バイトを探すようになった。事件当日、仕事の内容が強盗に変わったが報酬が上がると聞くと、指示役に言われたとおり包丁やハンマーを購入した。高齢の夫婦の家に押し入り、夫婦を縛るなどして逃走した」と述べました。

弁護側は「被告は収入が不安定で、アパートの契約更新の金を得ようとSNSで『モノを運ぶ仕事』を見つけて応募した。当日、仕事が強盗に変わり拒んだが、指示役から『断れば危害を加える』と言われ逃げられなかった」と主張しました。

この事件では、ほかの実行役3人も起訴され、1人が有罪判決を受けています。