台湾「中国に融和的」野党議員のリコール 住民投票 開票続く | NHK

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台湾「中国に融和的」野党議員のリコール 住民投票 開票続く

台湾

台湾では、26日に「中国に融和的」とされる最大野党・国民党の議員24人を対象にしたリコール=解職請求の賛否を問う住民投票が行われ、開票作業が続いています。頼清徳総統の与党が少数となっている議会の構図がリコールを通して変わるかどうかが焦点です。

台湾の議会・立法院では、議員にあたる立法委員113議席のうち、半数近い52議席を持つ最大野党の国民党が、別の野党と連携して防衛費を含む予算を削減するなど少数与党となっている頼清徳総統の民進党は厳しい政権運営を強いられています。

こうした中、台湾各地の市民団体が、国民党は中国が台湾で影響力の拡大を図る「浸透工作」に加担しているとして、国民党の議員24人に対するリコール=解職請求を行い、この賛否を問う住民投票が26日に行われました。

投票は日本時間の午後5時に締め切られ、開票作業が続いています。

対象となる議員のそれぞれの選挙区で、リコールへの賛成票が反対票を上回り、かつ有権者数の4分の1以上になれば罷免が成立します。

民進党は現在、立法院で51議席にとどまっていますが、多くの国民党議員が罷免され、その後の補欠選挙で新たに6議席を獲得すれば、単独過半数を確保できます。

一方、国民党は「民進党や市民団体が社会の対立を引き起こしている」と非難しています。

台湾で大規模なリコールが行われるのは異例で、議会の構図が変わるかどうかが焦点です。

大勢は26日夜にも判明する見通しです。

市民団体は大規模な集会・街頭PR

国民党の議員へのリコールを行った市民団体は、住民投票を前に大規模な集会に加えて、街頭でのPR活動に力を入れてきました。

音楽にあわせてプラカードを掲げ、リコールへの賛成を呼びかけたり、うちわやキーホルダーといったグッズを用意したりして無党派層へのアピールを重ねてきました。

市民団体で活動するボランティアの男性は5月に仕事を辞め、ほぼ毎日、人通りの多い場所に立って、支持を訴えました。

反対意見を持つ人からののしられることもたびたびありましたが、この男性は「市民の反応がどんどんよくなっていて、うれしいのと同時にほっとしています」と話し、手応えを感じている様子でした。

そして「私たちの基本方針は中国共産党に反対し、台湾を守ることです。みんなが勇気をもって自分の考えを表明するのは台湾の民主主義と自由が高い水準にあることを示しています」と強調していました。

国民党議員“中国側との交流 経済協力や観光振興が目的”

台北中心部の選挙区で議員にあたる立法委員に当選した国民党の王鴻薇さんは、去年4月に北京を訪れ、中国共産党の最高指導部メンバーと面会したことなどから「中国寄り」と批判され、リコールの対象となっています。

国民党は、こうした中国側との交流は経済協力や観光振興などが目的だとしていて、台湾各地で大規模な集会を開いてリコールへの反対を呼びかけてきました。

王さんは、蒋介石元総統のひ孫にあたり、国民党のホープとして注目されている台北の蒋万安市長と一緒に地元の選挙区を回るなどして、支持を訴えました。

台湾メディアは、王さんが住民投票で罷免され失職する可能性があるという見方を伝えていますが、王さんは「無差別なリコールが社会の対立を引き起こしている」などと最後までみずからの主張をアピールしていました。

王さんは「民進党や市民団体が、国民党は『中国寄りで台湾を売り渡す』というレッテルを貼ってきましたが、大部分の有権者は理性的な判断をしてくれると信じています」と話していました。

リコールの成立が6議席に届かなければ頼総統は痛手

一部の台湾メディアは、今回、住民投票の対象となった24人の国民党の議員のうち、少なくとも10人の罷免が成立するという市民団体の関係者の見方を伝えています。

議員が罷免された選挙区では、3か月以内に補欠選挙が行われる予定で、与党・民進党が6議席上積みすれば、議会で単独過半数を握ることになります。

民進党の頼清徳総統は、市民団体による大規模なリコールについて台湾の民意の表れだとして支持を明言していて、リコールと補欠選挙を通じて政権運営を安定化させたい考えとみられます。

一方、リコールの成立が6議席に届かなければ、有権者が議会で野党が多数を占めることを容認したことになり、頼総統にとっては大きな痛手となります。

8月下旬には、市民団体の運動のもとでさらに7人の国民党の議員を対象にしたリコールの住民投票が行われる予定です。

台湾への圧力を強める中国とどう対じしていくかをめぐって与野党の対立や社会の分断が深まることで、頼総統はいっそう難しい政権運営を迫られる可能性もあります。

投票終えた有権者は

26日午前、台北市内の投票所では、投票に訪れた有権者が長い列を作っていました。

投票を終えた20代の男性は「立法院の議員たちは、対中国政策について異なる考え方をもっています。台湾の人々がみずからの選択を行うと信じています」と話していました。

また、70代の女性は「私たちはみな台湾の平和を望み、次の世代がよい教育を受けられることを願っています」と話していました。

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